プロ野球の外国人選手を「助っ人」と呼ぶのは失礼だ(写真はイメージ)


 プロ野球で外国人選手のことを「助っ人外国人」と呼ぶ。これが私はすこぶる気に入らない。

「助っ人」というのは、「手助けをする人」「けんかなどの加勢をする人」という意味だ。つまり所詮は、中心にはいない、本当の当事者ではない、周りに存在する人、ということになる。外国人選手に対して、随分、失礼な話ではないか。

 アメリカのメジャーリーグでは、多くの日本人選手がプレーしている。パイオニアとなった野茂英雄、イチロー、ダルビッシュ、上原浩治、田中将大、日米通算2000本安打を成し遂げた青木宣親などだ。この選手たちがアメリカで「助っ人」などと呼ばれていたら、日本人なら不愉快に思うのではないか。

「助っ人」などではない。チームメイトと共に勝利を、優勝をつかみ取るために必死でプレーしている当事者そのものだからだ。

 今年、巨人に加わったケーシー・マギー選手は、巨人が連敗している最中、選手ミーティングで「俺にも言わせてくれ」と述べ、チームメイトに檄を飛ばしたそうである。解説者の中畑清氏によれば、かつて巨人に在籍していたウォーレン・クロマティ選手も連敗中などのチームが不調なときに、「俺たちはつらい仕事をしてるんじゃない。ステージの上の役者なんだ。もっと溌剌としたプレーをしよう」とチームメイトに檄を飛ばしたそうである。

 中畑氏は、「マギーもクロウと同じように巨人の一員として優勝したいんだと思う」と述べていた。

 これはマギー選手だけではない。どのチームの外人選手も同じだと思う。そうでなければ、あんな必死なプレーなどできるものではない。

 ラグビーでも外国人選手がたくさん入っている。日本が大健闘した2015年のワールドカップもそうだった。ラグビーの場合には、「その国の出生者」「両親、祖父母の1人が当該国で出生していること」「その国に3年以上連続で居住した者」で他国代表未経験者なら誰でも代表になり得るそうである。民族や国籍は問われないそうだ。

 日本の実力を見れば、これも仕方がないことであり、日本人プレーヤーの底上げにつながることだろう。立派だったのは、この代表選手が外国人選手も含めて、国歌斉唱を見事に行っていたことだ。この外国人選手たちを「助っ人」と呼べるだろうか。もしそういう呼び方をすれば、失礼極まりないことだと思う。

 大相撲だってそうだ。今、隆盛を誇っているが横綱白鵬をはじめとするモンゴル力士、ブラジル、ジョージア、中国など、多くの外国人力士が盛り上げてくれているからだ。彼らを「助っ人」などとは絶対に呼ばない。

 サッカーはどうか。外国人選手はいっぱいいる。日本から外国のチームに行っている選手も多い。この選手たちを「助っ人」などと呼んでいるか。メッシやロナウドは「助っ人」か。外国人選手を「助っ人」などと呼んでいるのは、日本のプロ野球だけである。

 野球でも、ラグビーでも、大相撲でも、サッカーでも外国人選手は「助っ人」などではない。日本のプロスポーツに溶け込み、我々を大いに感動させてくれる選手たちなのだ。その選手を「助っ人」などというのは、無礼千万であり、時代錯誤も甚だしい。

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筆者:筆坂 秀世