EU議会のメンバーは新たに、政府当局が個人のデータにアクセスできるようなバックドアを設けることの禁止や、デジタルコミュニケーションにおけるエンドツーエンドの暗号化を強化することなどを盛り込んだ草案を発表しました。

政府当局もバックドアを利用して通信を傍受できないように

今回EU議会によって提出された草案は、EU市民は個人、家族、家庭のプライバシーを守られる権利があり、それはデジタルコミュニケーション間でも適用されるべき、とする修正案です。
 
もとより、どこから誰にメッセージが送られたか、あるいは電話やインターネットのアクセス記録、位置応報といったものは、すべてこのプライバシーを保護する権利に属するもので、みだりに開示されるべきではありません。
 
しかし、今回EU議会が踏み込んだのは、たとえ政府当局であっても、バックドアを利用して個人のやり取りを傍受すべきではない、という点です。コミュニケーションデータを脱暗号化したり、コミュニケーション記録を調べるためのリバースエンジニアリングなども禁止されます。

暗号化を徹底することのメリットとデメリット

バックドアを利用して、個人のプライバシーに政府当局が手を突っ込むというので思い出されるのは、昨年大きくアメリカのみならず世界中を騒がせた、FBIとAppleの対決でしょう。
 
サンバーナディーノの銃乱射事件を受け、FBIが犯人の所有していたiPhone5cのロック解除をAppleに依頼するも、プライバシー尊重の原則をAppleが貫き、ロック解除の協力を拒否したことは、テクノロジー業界や各国政府の間に大きな波紋を呼びました(最終的にFBIはハッカーに依頼し、iPhoneの脆弱性を突いて突破したとされています)。
 
ただし、今回のEU議会によるこうした取り決めが、WhatsAppやTelegramといったアプリを、テロリストの「セーフヘブン」に変えてしまうのではないか、と懸念する声も聞かれます。
 
 
Source:MacRumors
(kihachi)