季節で味も大きく変わるという

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2017年6月5日、茨城県で給食の牛乳に違和感を覚え379人が体調不良を訴えた。茨城県はこの牛乳の製造業者の立ち入り調査などを行ったところ、13日に「味や香りなど風味の違いが違和感の原因となった」とする調査結果を発表している。

J-CASTヘルスケアが茨城県庁に確認したところ、担当者は「牛乳や原乳(製造前の生乳)の検査でも異物などは検出されず、衛生上の問題は確認されなかった」と答えた。

しかし、体調不良になるほどの違和感を覚えるような風味の違いが、牛乳で出るものなのだろうか。

実は季節でも味が変わっている

茨城県によると、給食で出されていた牛乳は通常複数の原乳を混合して製造しているが、今回問題となった牛乳は1種類の原乳のみを使用していたという。このため普段の牛乳とは異なる味や香りとなり、子どもには違和感となって体調不良だと感じてしまったのではないかとしている。

腐敗したり、何らかの調味をしているわけではない牛乳の風味がそこまで大きく変わるものなのか。J-CASTヘルスケアの取材に対し「成分無調整牛乳の風味は、さまざまな要因で大きく変化する」と答えたのは、乳業メーカーなども加入する業界団体である日本乳業協会の担当者だ。

「牛の種類や農場の場所、季節によって無調整牛乳の風味は大きく変化します。例えば夏にやや薄めの味に、冬には濃いめの味になるため、メーカーによってはパッケージに味や成分量が異なっていることを明記している場合もあります」

コーヒー牛乳や栄養成分などを添加した調整牛乳など、乳製品に分類されるものでは味や成分量が均一になっている。こうした無調整牛乳の風味の変化は大人ではまずわからず、気がつくのは子供だけだという。可能な限り風味が均一になるよう複数の原乳を混合しているメーカーもいるが、味の確認をする専門家でも「微妙に違うかもしれない」程度の変化しかわからないようだ。

「お子さんから牛乳の味が違うといわれたという相談が我々にも寄せられることがありますので、なるべく風味に大きな違いが出ることがないようメーカー各社と検査精度を高める工夫をしています」

消毒液は思い込みか

では、当初いくつかの報道では「消毒液のような臭いがした」とされていたのはなぜだろうか。牛乳そのものは当然だが塩素などで消毒されることはなく、殺菌は加熱殺菌だ。乳業協会の担当者は、「製造機器は塩素消毒しているので、当初はその残留物かとも考えた」と話すが、茨城県によると検査で塩素などは検出されていない。

なによりも、臭いで違和感を覚えるほど異物が混入していたとすれば、医療機関に搬送されたのが379人中2人では済まないだろう。

「給食の牛乳は基本的に毎日飲むものなので『いつもの味』のようなものがあり、わずかな風味の変化がより大きな違和感に思えたのかもしれません」

と、乳業協会の担当者は推測していた。