本州から四国まで自転車を走らせることができるしまなみ海道はサイクリストの聖地として絶大なる人気を誇っています。瀬戸内海に浮かぶ島々をいくつもの橋で越えていくサイクリングルート。「一度は走ってみたい」と夢見るサイクリストも多いことでしょう。そんなしまなみ海道の四国側の起点・今治市にサイクリスト御用達のゲストハウスがありました。

こんにちは、自転車で世界一周をした周藤卓也@チャリダーマンです。旅を終えた今、次なる夢はいつかゲストハウスを作ることだったりします。今治市の「シクロの家」は私の夢を形にしたような場所でした。

◆しまなみ海道とは

本州から四国に陸路で移動する手段は、東から神戸・鳴門ルート、児島・坂出ルート(瀬戸大橋)、尾道・今治ルート(瀬戸内しまなみ海道)と3つしかありません。他は自動車専用道なので、人力で本州と四国を移動できるのは広島県尾道市と愛媛県今治市を繋いでいるしまなみ海道だけ。

2002年、私も自転車日本一周でしまなみ海道を走りました。橋から橋へ自転車で海を越えていく全長約70kmのアドベンチャー。興奮止まらぬ夢のような道でした。

◆シクロの家

そんなしまなみ街道の四国側起点、今治市にサイクリストなら1度は足を運んでみたい「シクロの家」というゲストハウスがあります。

しまなみゲストハウス シクロの家 Shimanami Guesthouse CYCLONOIE

http://www.cyclonoie.com/

場所は愛媛県今治市北宝来町1丁目1-12

去年の夏に、自転車ではなかったのですが1泊しました。

シクロの家はJR今治駅前徒歩1分という絶好のロケーション。駅に降りて輪行バッグを担いだままゲストハウスを探しても苦にならない距離でした。あまりに近いので、通り過ぎて引き返してしまうほど。



白い大きな家の外観をした建物がゲストハウスです。



◆レセプション

扉を開けてびっくり。もっと生活感にあふれた場所を想像していたのですが、デザイナーズマンションのような洗練された空間が広がっていました。ゲストハウス内の壁は白がベースですから、自然と雰囲気も明るくなります。そうした空間の中、ふんだんに使われた木材が居心地のよい温もりを創り出していました。スタッフの方に「女性一人でも泊まることができるゲストハウス」というコンセプトを聞いて納得。女性に選んでもらうにはデザインもおろそかにできません。

入口から入った正面にあるカウンターが受付。チェックインはここで済ませましょう。



入口の右側には半円の大きな机がありました。宿泊客が集まって旅の話に花を咲かせる憩いの場です。



こうした場所で、いろんな人に出会うことが旅の醍醐味。



カウンターの下にはサイクリスト向けのオリジナルグッズといった物販品が並んでいます。ここでしか手に入らないグッズもあるとのこと。今治市ということで特産のタオルも置いていました。



また、受付はカフェ&バーのカウンターも兼ねていてドリンクやお酒の注文もできるようになっています。

◆情報スペース

受付の左の部屋も共有スペースになっています。こちらの机でも、旅人同士で大いに話が盛り上がりました。



キッチンもあるので自炊もできます。調理器具も一通り揃っていました。



電気コンロ



棚の上には炊飯器、トースター、電気ケトル、コンロの下に電子レンジと調理家電も充実。食器、コップ、箸も十分に用意してあります。



ドミトリーに泊まるときは貴重品ロッカーがあると便利です。ノートパソコンやカメラなどを保管できます。



「シクロライブラリー」という本棚には自転車系雑誌、旅行記、情報誌などが多数揃っていました。チャリ旅本にも力が入っていて、私が持っている本もすべて置いてある感じ。私がこれからやりたいことが形となっていました。



「世界でいちばん長いハネムーン 10年間、88ヶ国をめぐる タンデム自転車の旅」



ゲストノートや情報ノートも一読の価値あり。今治市のB級ご当地グルメ「焼豚玉子飯」のお店を網羅したガイドもありました。



◆就寝スペース

就寝スペースは階段を上がった2階。



男女共用のドミトリーは4人部屋でした。ベッドごとにカーテンが付いているので、相部屋でもある程度プライベートを確保できます。



こちらが私のベッド。2段ベッドの下段でしたが、高さがあるので窮屈さを感じませんでした。この世界には上下の間隔がやけに狭い2段ベッドというのもありまして……。各ベッドに読書灯とコンセントが備わっています。一人に一つの電源があるとコンセントの争奪戦が起きないので楽です。足元に懐中電灯もありました。消灯後は他の人を起こさないように、こちらを使ってねということでした。



カプセルホテルのような寝床もあります。外国の方は喜びそうですね。



シクロの家での客室は、

・男女共用の4人部屋ドミトリー

・女性専用の4人部屋ドミトリー

・カプセル×4

・個室(2段ベッドが1つ)

のいずれかとなります。そこまで大きなゲストハウスではありません。Wi-Fiは館内全域で使用可能。共同のトイレ、シャワーはそれぞれ3ヶ所設置されていました。

洗面台もピカピカとしていました。ドライヤーも置いてあります。



洗面台も2つあるので助かります。誰かが使用中でも、もう片方空いていたら待たずに使えますからね。



◆駐輪スペース

サイクリストにとって何より嬉しいのが、安全な駐輪スペースが屋内にあることでした。盗難や雨ざらしの心配もいりません。



サイクリストが集まると、素敵な自転車がいっぱい並びます。









自転車工具も揃っているので愛車のメンテナンスもとことんできそうでした。



私が自転車で旅していたときは、チェーンのコマがついたがスプロケ外しや抜き工具を回すモンキーレンチは重くなるので持ち歩いていませんでした。トラブルが起きたら自転車屋さんを探すしかありません。だから、ありとあらゆる工具が揃ったシクロの家のようなゲストハウスを作りたいと夢見ていました。こちらも私の理想が形となっていました。

自転車整備で手が汚れてしまっても専用のシンクもあるので安心。



この駐輪スペースの端にランドリーがありました。洗濯機は洗剤付きで1回200円から、乾燥機15分100円からでした。



◆宇都宮一成

このゲストハウスの運営に携わっているのが、タンデム自転車で世界一周を達成した宇都宮一成さんという方でした。1997年から2007年まで旅をしていた大先輩。伝説のチャリダーです。出身が愛媛県という縁もあって今治市で「シクロツーリズム(自転車旅行)」を通した地域おこしのNPO法人に参加。「シクロの家」もそのNPO活動の一つでした。面識はなかったのですが、活動を知っていたので今後の勉強も兼ねて1泊させていただきました。

シクロライブリーには飾ってあったのは彼の著作。



旅のプロが運営に加わっているので、ゲストハウスも快適そのもの。かゆいところに手が届くといいますか、いたるところで旅人視点の細かな工夫が炸裂していました。また、交流スペースがありますから旅人同士が出会います。会話も弾みます。ただ泊まるだけじゃない、旅の楽しみがぐっと詰まった場所になっていました。

◆あとがき

そのシクロの家ですが、本当にたくさんのサイクリストが利用されています。













本州側起点、尾道市には「ONOMICHI U2」という自転車ごと宿泊できるホテルもありますし、今治市の「シクロの家」と合わせて、今年の夏はサイクリングでしまなみ海道とかいかがでしょう?

あと今治市といえば今治城もおすすめ。日本屈指の水城です。



(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン

自転車世界一周取材中 http://shuutak.com

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DMM講演依頼 https://kouenirai.dmm.com/speaker/takuya-shuto/)