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To understand the relationship between spring/damper rates before I die

 
最近、同僚のマット・プライヤーがレポートしたマクラーレン720Sの5つ星レビューがAUTOCAR(UK版)に掲載されたが、じつに幸運なことに、私はそれを皆様より一足早く読んでいた。それで、ローマで行われた720Sの発表会では、この桁外れのクルマをどれほど日常的に使うことができるかという視点で評価しようと考えていた。

ところが、エンジン回転1200rpmで7速ギヤは極めてスムーズであること、キャビンも素晴らしく、空調も快適なこと、四角くて深さがある真新しいトランクは、このクルマに似つかわしくないような荷物を入れてもうまく収まることなど、日常性を備えたクルマであることは、思っていた以上にあっけなく判明した。

 
それで程なくして、ほかのジャーナリストたちと同じように、7000rpmを超えた時のエンジン音を分析批評したり、勇気が許す限りスピードを上げてヴァレルンガサーキットのストレート先端のカーブを時速120mile(約193km/h)で駆け抜け、リアスタビライザーの効果とダウンフォースを試したりした。これには胸が躍った。

 
それにロスという名前の冷静で素晴らしいドライビングのコーチが横に乗って、どうやって速く走るかをアドバイスしてくれたことがとくに有益だった。このロードカーは驚くべき柔軟性を持ちながら、1970年代に無敵を誇ったマクラーレンのM8 CanAmレーサーと事実上ほぼ同等のパワーが備わっていると思った。720Sのエンジン排気量はM8の半分であるが。
 

 

「もっとダンピングが必要」 ホントに必要?

生きている間に、スプリング/ダンパーレートと “実際の” 乗り心地の関係を正確に理解したいと思うようになった。というのも、このことを私はまったくわかっていないからだ。スプリング/ダンパーレートと “実際の” 乗り心地の最高の関係は、コンピュータによって実現できるものではないのだろう。もしそれが可能なら、今日のクルマの乗り心地はもっと高い水準に達しているはずだ。

数年前に所有していたロータス・エリーゼには、マルチマティックが設定した極めて特別なスプリング/ダンパーが装備されていた(マルチマティック社は現行フォードGTの製造で大きな役割を担っている)。

 
エリーゼのサスペンションは硬く、ホイールが上下することはほとんどない。乗り心地は路面が変化しても揺れが少なく、完璧にコントロールされていた。そして今日、私はルノーのクリオRSトロフィを運転していた。その大部分(ステアリング、加速、グリップ、ギヤチェンジ)は素晴らしいが、どうやらイギリスの道路とは相性がよくないらしく、ほとんどの道で上下に小さな振動を起こし、乗り心地はあまり快適ではない。

今、話しているのは “硬さ” ではなく(硬いのは好きだ)、バウンシングのことなのだが、これはあまりコントロールできない挙動だ。だが、サーキットでは、クリオRSトロフィの乗り心地は素晴らしい。よく自動車ジャーナリストは、 “このクルマにはもっとダンピングが必要だ” などと書いているが、実際の経験からすると、この表現は簡潔になりすぎていると思う。この難問を解くカギがほしい。いったいどこからスタートしたらいいのだろう。だれか教えてくれないだろうか?

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)