通算54ホール目となる18番(パー5)を歩いていた松山英樹は、フラストレーションを溜め込んでいるようだった。

 ティーショットをラフに打ち込み、うまくリカバリーしたものの、ヒザの高さにまで伸びたフェスキューを刈るようにアイアンを振り回しながら、第3打地点へ向かっていく。


全米オープン3日目、パッティングに苦しみ8位から14位に後退した松山英樹 ショットが左右にぶれた初日は2オーバーの82位タイ。ショットとパッティングが見事にかみ合った2日目は、その日のベストスコアである「65」で一気に通算5アンダーの8位タイにまで浮上した。

 ところが、優勝争い(=日本人初のメジャー制覇)も視野に入った3日目は、前半に2つスコアを伸ばしたものの、後半に入って崩れ、18番までパープレーを続けていた。

 117回目の全米オープンにして、初開催となるエリンヒルズGC(ウィスコンシン州ミルウォーキー近郊)には、日替わりでまるで違う松山がいた。これだからゴルフというスポーツはわからない。

「前半はショットが思うようになかなかいかなくて、それでも伸ばせたんで、まあいい感じだなと思っていた。後半に入ってショットを立て直すことはできたんですけど、今度は逆にパットがうまくいかなくて……。残念でした」

 10番で短いパーパットを外すと、そのあとチャンスにつけた11番、12番をものにできない。エリンヒルズに入って、宮里藍の父・優さんらにアドバイスを受け、それが2日目の好プレーにつながっていただけに、戸惑いがあった。

「(パッティングの)フィーリングというのは、(日々)変わるもの。それが変わりすぎたのかな」

 パッティングの狂いは焦りも生んだ。15番パー4(288ヤード)では、3Wを手にし、ワンオンを狙う。しかし、グリーン手前のバンカーにつかまり、結局、ボギーに。

「あのときはだいぶショットがよくなってきていたので、甘く考えた。ワンオンしたらツーパットでも楽にバーディーとれますから。昨日までだったらレイアップしていたかもしれませんが、ショットがよくなってきていたから、そういう欲が出たのかな」

 冒頭の最終18番は、3打目を3.5メートルの位置につけ、通算6アンダー(14位タイ)に伸ばして3日目を終えたが、首位との差は6打に広がった。

 松山は言う。

「だいぶ差は開いてしまいましたけど、ビッグスコアが出せればまだまだ諦める位置ではない。そういうプレーができなければ下位で終わるだけ」

 メジャーは遠くなりにけり。しかしながら、松山だけは日本人初の偉業を諦めていない。

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