「Jリーグ屈指の育成機関。”水戸が育てた”ベストイレブンを選んでみた」

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それは、水戸サポーターにとっても誇らしいニュースだった。

2017年6月15日、サンフレッチェ広島所属の塩谷司がUAEの強豪アル・アインへ移籍することが発表されたのだ。大学時代まで無名だった塩谷を発掘したのが水戸ホーリーホックであるのは有名な話で、その後のサクセスストーリーはご存知の通り。

塩谷に限らず、水戸で才能を開花させ栄転していくプレーヤーは多い。今回は、“Jリーグ屈指の育成機関”である水戸から羽ばたいたベストイレブンを選考してみたい。

なお、システムは現チームの基本形である中盤フラットのオーソドックスな4-4-2を採用する。

GK部門「選考が最も難しいセクション」

早速ゴールキーパー部門から決めていきたいところだが、選考が最も難しいセクションである。なぜなら、“水戸のレジェンド”本間幸司が長年レギュラーを張っており、そもそも試合に出場した選手自体が少ないからだ。

強いて候補を挙げるとすれば、現在東京ヴェルディでプレーする武田博行、昨年までツエーゲン金沢の守護神だった原田欽庸。もしくは、2014年に浦和レッズに引き抜かれた岩舘直。

ここは金沢への貢献度の高さから原田を推したい。

現チームの守護神・笠原昂史も今後強豪チームへステップアップをするかもしれない。更なる成長を求めて水戸を離れるのか。それとも、新たなレジェンドになるのか。移籍の噂が出る度にサポーターをやきもきさせるのは間違いない。

DF部門「センターバックは世界に誇る2人で決まり」

次にディフェンダー部門だが、センターバックは日本代表経験のある2人で決まりだ。田中マルクス闘莉王と前述の塩谷である。

日本を代表するセンターバックである闘莉王は、その才能を水戸の地で開花させた。2003年シーズンには、DFながら10ゴールを挙げる活躍を披露。栄転した浦和レッズでもチームの柱として活躍し、名古屋グランパス時代の2010年にはリーグ優勝に多大なる貢献を果たした。

日本代表としての活躍も印象深く、南アフリカW杯では中澤佑二と鉄壁の壁を築き上げ、ベスト16入りの原動力となった。現在は京都サンガでフォワードとしてプレーし、ここまで8ゴールをマーク。その多才ぶりには恐れ入る。

国士舘大学から加入し、ステップアップした広島で日本代表へ上り詰めた塩谷。その偉大な先輩と同じ経歴・特徴を持つ今瀬淳也は、今後同じ道を歩むことになるかもしれない。

攻撃力にも長けた今瀬は、現在流行中の3バックにぴったりハマる。今後の活躍次第では、ヴァンフォーレ甲府で3バックの一角を争う新里亮のように3バックをベースとするチームに引き抜かれる可能性はある。

次にサイドバックを選考していきたい。

右サイドは徳島ヴォルティスでプレーする広瀬陸斗。加入1年目からチャンスを掴むと、翌年に徳島へ引き抜かれた。一方の左サイドは激戦区だが、ドルトムントでプレーするパク・チュホを推したい。

水戸でプロキャリアをスタートさせた後は、鹿島アントラーズ→ジュビロ磐田→バーゼル→マインツと徐々にステップアップ。欧州屈指の強豪であるドルトムントまで上り詰めた。

柏レイソルで不動の地位を築く輪湖直樹、今季から北海道コンサドーレ札幌に所属する田中雄大が次点だ。

MF部門「地味ながらチームを支える選手が顔を揃える」

ボランチの2人は甲府を支える2人のベテラン、兵働昭弘と小椋祥平だ。

前者は今季、アンカーという新境地を開拓。自慢の左足で攻撃のタクトを振るう。水戸時代に世代別代表に選ばれた経験を持つ後者は、ハードタックルとハードワークで兵働をサポート。今やなくてはならない存在だ。

次点は、徳島ヴォルティスの岩尾憲と町田ゼルビアの森村昂太。

前者は主将としてチームを引っ張る姿が頼もしく、後者はマルチロールとしてサイドでも活躍する。現チームでは、バランサーの内田航平が後に続く可能性を秘める。柱谷哲二氏が小笠原満男になれると太鼓判を押した背番号6に注目である。

攻撃的MFとサイドハーフには、鈴木雄斗とロメロ・フランクを選出した。

モンテディオ山形の10番を背負う前者は今季、右ウイングバックとして印象的な活躍を見せている。また、中盤ならどこでもこなす後者は、アルビレックス新潟でもレギュラーの座を確保し、豊富な経験をチームに還元中だ。

現チームでは、積極的な仕掛けが売りの湯澤洋介と外山凌、フットボールIQの高さを随所で感じさせる白井永地がブレイク候補である。

FW部門「パワフルなストライカーが目白押し」

激戦区のフォワードは、三島康平と荒田智之が2トップを形成する。

圧倒的な空中戦の強さでターゲットとして君臨した前者は、昨季途中に松本山雅へ活躍の舞台を移した。移籍の一報を耳にした時は、寂しい気持ちと誇らしい気持ちが同居したことを思い出す。

ゴールを量産しブレイクした後者も記憶に残るプレーヤーだ。ジュビロ磐田やファジアーノ岡山等でプレーし、現在はAC長野パルセイロに所属している。

次点は、松本のエース・高崎寛之と町田でプレーする吉田眞紀人。

前者は巧みなポストプレーが売りの本格派で、浦和からレンタルで加入した2009年に19ゴールを記録。その後鹿島アントラーズ等でプレーし、現在は松本のエースストライカーとして活躍中だ。

名古屋で伸び悩んでいた吉田を蘇生させたのは柱谷哲二氏。10代の頃から将来を嘱望されていたレフティーモンスターは、プレッシャーの少ない水戸で伸び伸びとプレー。2014年に11ゴールをマークし、2016年にジェフ千葉へ引き抜かれた。

現チームでは、ここまで10ゴールをマークしている林陵平と圧倒的なスピードを武器に大ブレイク中の前田大然が注目を集めている。

特に後者はその存在が戦術となっており、快足を活かしたプレッシングは脅威そのものだ。このまま好調を維持すれば、レンタル元の松本へ帰還し、高崎・三島と共に攻撃を担うことになるだろう。恐らく水戸でのラストシーズンとなるはずの背番号38の快足を目に焼き付けておきたい。

2017/06/17 written by ロッシ

筆者名:ロッシ

プロフィール: 1992年生まれ。1998年フランスW杯がきっかけでサッカーの虜となる。筆者の性格は堅実で真面目なため、ハビエル・サネッティ、長谷部誠、ダニエレ・ボネーラ、アルバロ・アルベロア、マッティア・カッサーニにシンパシーを感じている。ご意見・ご感想などありましたら、ツイッターアカウントまでお寄せください。

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