札幌戦では、両足で2アシストを記録。非凡なボールスキルでチームを勝利に導いた。写真:徳原隆元

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[J1リーグ第15節/鹿島3-0札幌/6月17日/カシマ]
 
 3-1で快勝した前節・広島戦では、1得点・1アシストの際立つ働きぶりを披露した。札幌をホームに迎えた今節は、ゴールこそなかったものの、山本脩斗の先制点とペドロ・ジュニオールの追加点をお膳立て。大岩新体制になり、出場機会が増えている中村充孝が、ハイパフォーマンスを続けている。
 
 開始わずか2分、右サイドを深くえぐると、右足でフワリと浮かせたクロスを供給し、山本のヘディングシュートをアシスト。15分には、同じく右サイドを駆け抜け、対峙する相手DFをキックフェイントでかわすと、今度は左足で正確無比なパスを通し、P・ジュニオールのボレーシュートを演出した。
 
 文字通り、絶好調だ。立て続けに決定的な仕事をこなし、勝利に貢献している中村について、大岩剛監督は次のように評価している。
 
「僕が監督になる前から、彼には個人的に言ってきたけど、高いボールスキルと能力があって、あと足りないものとしては、味方を使ったり、ランニングして良いボールを引き出したりすること。それはやってほしかったし、できると思っていた。
 
 僕が監督になっても、チーム全体に走ることが重要だと言い続けていますけど、半分は彼に言っているようなもの。はたいて、出て行く。シンプルにやる。それがあってこそ、ボールスキルも生きてくる。
 
 この2試合で、あれだけのパフォーマンスを見せてくれている。これも、選手全員に言っていますが、大事なのはそれをやり続けること。充孝にも、これで満足せずに、やり続けてほしい。アイツが気分良くなるようなことは、あまり言いたくないんですけどね(笑)。だから、これからも言い続けますよ」
 
 指揮官のリクエストを見事に体現している背番号13は、自身のプレーをどう捉えているのか?
 
「(走りの部分は)監督がコーチの時から、ずっと言われていたし、自分もそこは課題だと考えていて、必要性もより一層、強く感じている。今は手応えもあるから、後半もさらに(プレーの質を)上げられるようにしていきたい」

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 もっとも、求められるプレーを確実にこなすと同時に、それだけでは終わらないところに中村の魅力がある。
 
「ただ、すべて走ればいいってわけではないとも思っている。ここぞという時にもしっかり走れる選手になりたい。やる時はやる。そこは見極めないと」
 
 攻撃のスピードアップをもたらすテンポの良いワンタッチパスも、高い技術のなせるワザだが、むやみやたらに多用しない。
 
「使い分けがすごく大事。シンプルに、テンポを上げるのはもちろんだけど、全部をダイレクトにするのは違うと思う。その時の状況や場所を踏まえて、上手く強弱をつけていきたい」
 
 チームの方向性に沿って忠実にプレーしながら、自分の頭で考え、効果的な変化を加えていく。その優れた“アレンジ力”を武器に、中村はさらなる活躍を見せてくれるはずだ。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)