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2008年パナソニックは「世界NO.1長持ち※1」「業界初※2 使用推奨期限10年」の乾電池エボルタを発売した。発売から9年、乾電池業界をリードするエボルタは常に進化を続けている。その軌跡を追いながら、核心に迫ってみたい。

※1 世界一長持ちする乾電池としてギネス世界記録に2008年1月15日認定。2016年3月31日再認定IEC基準における全放電モードの平均値より。

※2 2008年4月26日の当時において。



▲歴代エボルタチャレンジの軌跡。※画像クリックで拡大します。

全ては世界一使いやすい乾電池を作り出すため!



単1形~単4形まで、どれも片手に収まるサイズの「乾電池」は、おもちゃから家電まで生活に浸透。しかし、その恩恵を誰もが受けながら、実は中身について詳しく知っている人は少ない。そこで乾電池のスペシャリストであるパナソニックの「エボルタ」シリーズを手がける堀さんに、乾電池の現在を聞いてみた。



▲パナソニック商品担当 堀県平さん

「電池は国際規格でサイズが決まっていますから、性能を上げるには、いかに材料を多く詰めるかが重要になってきます。粒子が小さいほど密度は高くなりますが、例えばペットボトルに石を詰めるとすき間が空きますよね。でも、砂なら細かいので空かない。そういう考え方で材料・工法・構造を工夫してきました」

電池の材料のひとつである「ペレット」。見た目はちくわのようだが、容器ギリギリのサイズに作ると当然挿入しにくくなる。しかし、新発売の『エボルタNEO』では、スキマゼロを実現しているという。また、長持ち性能以外の「品質」にもこだわる。

「液もれを防止するために、エボルタNEOでは銀化合物を採用しています。これは誤使用時に電池内で発生する水素ガスを吸収・分解するためで、電池内に溜まり過ぎると破裂の原因になります。そもそも液漏れは破裂を防ぐために、安全弁が作動して起こる現象。液もれ自体は良いことではありませんが、破裂を防ぐ機構になっているわけです」



▲過放電後に起こる水素ガスが液もれの原因。そこでガスの分解を促す銀化合物を採用して、ガス発生量を約30%削減※3している。※3 乾電池エボルタ単3形比、負荷抵抗3.9Ω過放電後の保存後において。

ガスが発生する原因のひとつに、エネルギー量の違う電池を同時に使うことが挙げられる。二人三脚で親子レースしているようなもので、どちらかに負担がかかってしまうと、水素ガス発生の要因となる。

その性能は、本当に細かなマイナーチェンジを繰り返すことで地道なアップデートを重ねてきた。『エボルタNEO』では、電池の底部にあたる部分の「V溝構造」を少し改良することで、内容量をアップさせました」と堀さんは話す。外見からはデザインの一部かと思いきや……、おみそれしました電池の技術!

3つの進化ポイント

1.材料の革新



中身は詰まっている方が電池の持ち時間も伸びる。高密度・高純度二酸化マンガンを新開発したことで、粒子の結合を高め充填量増加を実現。シリーズNo.1の長持ち性能を誇る。



2.工法の革新



材料と同じく、中身を詰めるために成型技術を進化。粒子間・部品間のすきまを小さくすることで、その分材料の充填量をアップするように設計されている。いわゆる「すき間」をなくすことで、その分だけ材料の充填量をアップするように設計されている。



3.構造の革新



小さいことだが、電池下部の溝部分を狭くする事で内部スペースが拡大。この「V溝構造」が、さらに材料の充填量を増やしている。また、セパレータも約25%薄型化し充填量アップを実現。



文/三宅隆

※『デジモノステーション』2017年7月号より抜粋