イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」からの奪還作戦が行われているイラク第2の都市モスルの西部ザンジリ地区で、イラク軍が迫る中、避難する住民たち(2017年6月9日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

写真拡大

【AFP=時事】国連(UN)は16日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」がイラクで拠点としている同国第2の都市モスル(Mosul)の旧市街で、同組織が民間人10万人を「人間の盾」として利用している可能性を指摘した。

 イラク軍は現在、2014年にISが制圧し、その住民を残虐に支配してきたモスルの奪還作戦を行っている。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)本部があるスイス・ジュネーブ(Geneva)で会見したUNHCRイラク支局のブルーノ・ゲッドー(Bruno Geddo)代表は、ISはモスル市外の戦闘で民間人を拘束し、同組織がモスルで掌握している最後の地域の一つである旧市街へ強制的に連行していると述べた。旧市街で現在捕らわれている状態の民間人は10万人以上と推定されている。

 ISは戦闘を行っていた場所から移動するたびに民間人も移動させているといい、ゲッドー氏は「民間人は旧市街で人間の盾として利用されている」と述べた。

 同氏によると、旧市街には食糧や水がほとんど残っておらず、またほぼ停電状態で、民間人は「貧困と混乱が悪化し続ける状況の中で生活していて」「四方は戦闘に囲まれて」いる。さらにISの掌握地域から逃走を試みる者は狙撃手によって射殺されるといい、脱出に成功した人々は「ひどい精神的外傷」を負っているという。

 9か月前にモスル奪還作戦が始まって以降、推計86万2000人が市外へ避難したが、このうち19万5000人は、ISから解放された東部を中心に市内へ戻っている。
【翻訳編集】AFPBB News