「その夜、ヘルシンキは羽生のものだった」― 未だ冷めない「伝説の夜」の衝撃
世界選手権フリー歴代最高得点、米記者が回想「その史上最高の地位を強固に」
16-17年シーズンが終了し、それぞれの選手が来るべき次シーズンへ向け、備えているフィギュアスケート界。昨季は世界国別対抗戦を制するなど、日本勢にとっても印象深いシーズンとなったが、なかでも世界にインパクトを与えたのは羽生結弦(ANA)だ。世界選手権ではフリー歴代世界最高得点をマーク。3年ぶりに返り咲いた「伝説の夜」の衝撃は未だやまず、米国の記者が「彼が本領を発揮すれば未だ無敵だと、我々全員に知らしめた」と称賛している。
「2016-17年シーズンのNO1――その史上最高の地位を強固に」とのタイトルで日本のエースを称賛したのは、20年以上フィギュア界に携わってきたジャッキー・ウォン記者だ。
同記者はフィンランド・ヘルシンキでフリー歴代最高得点を叩き出した羽生を自身のブログで特集。「これを予期できなかった者の一人に私を数えてほしい」と記し、予想を上回る演技を披露したことを振り返っている。
昨季、好不調のあった羽生はシーズンの集大成となる世界選手権もミスが出てSP5位と出遅れた。しかし、ウォン記者は「もっとよく考えていれば。気付ける機会はあったはずだった。ミスやシーズンに対する抑圧されたフラストレーションが、彼に戦うよう仕向けると」とつづり、22歳が逆境をエネルギーに変える強さを秘めていることを表現した。
そして、羽生はフリーで全世界のファンを魅了した。
4回転4本成功で223.20点、ウォン記者称賛「彼が本領を発揮すれば未だ無敵」
4回転を4本成功。223.20点を叩き出し、自身が持つフリー歴代最高得点を塗り替えた。
「すでに史上最高のスケーターだと証明したユヅル・ハニュウが、その地位をさらに強固にする方法を見い出すことを理解しておくべきだった」と述べた上で、こう記した。
「その夜、ヘルシンキはハニュウのものだった。彼が本領を発揮すれば未だ無敵だと、我々全員に知らしめたのだ」
4月1日、羽生が3年ぶりに返り咲いた「伝説の夜」を情緒たっぷりに表現。同記者は自身のツイッターで「新たなる完璧なフリースケートで、ユヅル・ハニュウは全ての者に衝撃を与える」と投稿し、今回の記事を紹介している。
17-18年シーズンでは連覇がかかる平昌五輪が控える。SPでは、15年GPファイナルで世界最高得点を記録した思い出のショパン「バラード第1番」を選曲した羽生。果たして、今度はどんな演技で世界のファンを魅了してくれるのか。
シーズン開幕が今から待ち遠しい。