自身初となるファンタジー
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 中世の騎士道物語を独自解釈を加えて映画化した「キング・アーサー」(公開中)を手がけたガイ・リッチー監督が、本作を手がけた動機を語った。

 父であるイングランド王ユーサー(エリック・バナ)を叔父(おじ)のヴォーティガン(ジュード・ロウ)に殺され、追っ手から逃れてスラムでひっそりと育ったアーサー(チャーリー・ハナム)が、ユーサーが残した聖剣エクスカリバーを手に入れ、王座奪還に乗り出すさまを描く。ハイスピードカメラや360度回転映像を駆使し、リッチー監督らしいケレン味あふれるバトルシーンが随所で展開する。

 リッチー監督は、製作を志した理由を「この物語がその昔人々を夢中にさせ、今でもなお魅了し続けているというのは面白い。『シャーロック・ホームズ』にも通じるものがある。アーサー王には信頼できる歴史的情報などないんだ。だからこそ、この伝説が人々を魅了するというのは興味深く、僕はこれがある意味、アーキタイプ(元型)であると思うんだ。イギリス人としてある意味、子どもの頃から頭の片隅にずっとあり続けたものなのさ。だから(そんな作品を手がけるというのは)いつでもエキサイティングな提案なんだ」と語り、念願の企画だったと振り返る。

 だが、いざ製作を開始すると、作品全体のトーンをどのようなものにするかという壁にぶち当たった。「この物語をいかにシリアスに描いていくかということについてかなり悩んだよ。これは終わりのない挑戦だったね。ファンタジー要素を入れなければ、(作品の)世界が小さなものになってしまうのではないかというのが僕の懸念だった。ただ、ある作品から別の作品に突入したかのように観客に感じさせてしまうことは避けたかった。ファンタジーやユーモアを組み合わせ、かつ物語を真剣にとらえるということが僕にとっての挑戦だった」。

 リッチー監督はハナムの存在が大きかったといい「チャーリー(・ハナム)のセンスやユーモアは僕ととても似ている。だから一緒に座って何かを待っているようなときに『これやってみないか?』と言うと、『ああ、それはいいね』と返ってくる。そんな風にお互いしっくりくるもので、そうやって進めていくことによってトーンが決まっていったんだ。彼とは感性がよく似ていたから、撮影中は多くの言葉をかわさずとも意思の疎通ができていたよ」と全幅の信頼を寄せる。

 しかし「チャーリーはアーサー役候補の俳優リスト上位10人にも入っていなかったんだよ」というから驚きだ。「でも彼は、絶対に候補に入ってみせると言い張り、実績が十分にあったからちゃんと候補に残ってきた。そしてライバルたちを蹴散らし続けて、とうとう僕は根負けして彼の起用を決めたんだ。その時点で僕はチャーリーがアーサーにふさわしくなると確信したね」と映画さながらの“下克上劇”があったと明かした。