声優・蒼井翔太、『王室教師ハイネ』で見せた無邪気な一面 中性的なハイトーンボイスの表現力

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 現在放送中の赤井ヒガサ漫画原作アニメ『王室教室ハイネ』。『王室教師ハイネ THE MUSICAL』として今年9月から舞台公演が予定されていることもあって、メインキャストのほとんどは2.5次元舞台を中心に活躍するイケメン俳優たちが起用されている。主演の植田圭輔(ハイネ役)や安里勇哉(カイ役)のように、アニメ声優経験のほとんどないキャストらも並ぶなか、声優・歌手・俳優として幅広く活動している蒼井翔太(リヒト役)の存在が際立っているように感じられる。

参考:植田圭輔、“2.5次元俳優”のイメージ破るか アニメ『王室教師ハイネ』声優挑戦の意義

 男性声優初のソロ武道館公演を敢行した宮野真守や、アニソンも多数手掛けるユニット「GRANRODEO」でボーカルを務める谷山紀章のように、アーティストとしても活躍している男性声優は少なくない。しかし、蒼井が彼らと異なる点は、キャリアを声優ではなく歌手としてスタートさせたところにあるだろう。2004年にヤマハ主催の音楽コンテスト「TEENS’ MUSIC FESTIVAL」に出場したのがきっかけで、「SHOWTA.」名義でメジャーデビューした蒼井。その後事務所の移籍と改名を経て、2012年にはゲーム『Black Robinia』で声優デビューも果たした。

 そんな蒼井が声優として脚光を浴びるきっかけとなったのは、『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズだろう。2012年発売のゲーム版から美風藍役に抜擢されたことで、人気が沸騰。“見た目は綺麗で可愛いが、言動はさっぱり可愛くない”という設定の美風だが、その中性的な外見は蒼井に通じるものがある。

 整った容姿で美意識が高く、ファンからも“女子力が高い”と囁かれている蒼井は、過去に披露した女装姿も女子顔負けの可愛らしさ。まるで二次元から飛び出してきたようなユニセックスなルックスに加え、声もかなり特徴的だ。蒼井といえば、「天使の歌声」とも称されるハイトーンボイス。地声もかなり高く、過去にはカラオケ番組で倖田來未やアン・ルイスの曲を披露するなど、女性ボーカル向けのキーでも易々と歌いこなしてしまうほど。

 歌声が武器ということで、『うたプリ』以外にも『ツキウタ。』シリーズの水無月涙や『KING OF PRISM』シリーズの如月ルヰなど、歌ものアニメへの出演が目立つ蒼井。今回の『王室教師ハイネ』では歌唱シーンなどはないものの、ED『Prince Night〜どこにいたのさ!? MY PRINCESS〜』のボーカルをほかキャストらと共に担当している。このEDでも、蒼井はひときわハイトーン。全員で歌っている部分でも、「聞いた瞬間どのパートかすぐにわかった」と蒼井ファンたちの間でもてはやされている。

 蒼井が演じるリヒトは、4人の王子の中で最年少。金色のロングヘアーに甘いマスク、明るい人柄で親しみやすい「チャラ王子」とされている。中性的な外見で女性にモテるという設定も、蒼井にぴったりだろう。リヒトには少しずる賢いところもあり、当初は裏のあるキャラかとも思っていたが、6話で描かれた父・国王とのエピソードでは、14歳らしい幼さや素直さのような部分も垣間見えた。『王室教師ハイネ』は5名のメインキャラそれぞれが個性豊かに描かれているが、中でもリヒトはずば抜けて感情表現に富んでいる。低い声色で淡々としているハイネやカイと、高い声色でハイテンションなリヒトは特に対照的だ。これまで蒼井が演じてきた作品ではクールなキャラが多かったため、こうしたリヒトの無邪気さ溢れる演技は、ファンにとっては新鮮だったのではないだろうか。

 先日、7月から放送をスタートするアニメ『DIVE!!』での辻利彦役、『戦記絶唱シンフォギアAXZ』でのカリオストロ役を務めることが発表された蒼井。スポ根アニメにヒロインもののSFと、どちらもこれまでの出演作とは毛色が異なる作品だ。『王室教師ハイネ』に続き、蒼井が来期でどのような演技を見せてくれるのか、引き続き注目していきたい。

■まにょライター(元ミージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。