6月16日、江蘇省徐州市豊県の爆発事件が起きた幼稚園の近くに集まる近隣住民(GREG BAKER/AFP/Getty Images)

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 中国当局は、江蘇省徐州市豊県の幼稚園の前で15日午後に起きた70人以上死傷した爆発について、刑事事件として調べた結果、徐州市泉山区出身の22歳の男性容疑者による犯行で、同容疑者はすでに爆発で死亡したと発表した。これに対して、中国のネットユーザーは警察当局が非常に短い間に容疑者を特定したことに疑問の声を挙げた。

 中国政府系メディアなどによると、容疑者の苗字は許といい、自律神経の失調で現在通っていた大学を休学中で、爆発が起きた現場近くで家を借り、アルバイトしていた。また警察当局の調査では、男の自宅から爆弾装置を製造する材料などを発見した。また、家の壁では「死ぬ」「破壊」などの字が書かれていたという。

 しかし、中国国内インターネット上では、従来重大事故・事件の真相を隠ぺいしてきた当局の発表を信用できない声が多く上がった。

 「こんなに短時間に事件を解決したって? 容疑者がすでに死亡したし、死人に口なし。このように片づけなければ、これほど大きな事件だから、市長も党委員会書記も上の人に処分されるだろう」との見方をするネットユーザーがいた。

 また、他のネットユーザーは「容疑者が死亡したと言っても、爆弾の材料はどこから入手したかとか、なぜ彼はこれほど威力の大きな爆弾を造れたのかについて、警察らは全く説明していない」とのコメントを書き込んだ。

 さらに、テロ攻撃の可能性があるとの意見を示したユーザーも現れ、「爆発に関連する組織などがあるかどうかをきちんと調査せよ」と呼び掛けた。

 インターネット上で投稿された事件発生後の様子をみると、幼稚園の正門前に数十人の人が爆発の衝撃で血だらけに倒れているのが見て取れる。中では爆風の影響で服がはがれて裸になった人もいた。

 事件当初は、中国政府系メディアは幼稚園の正門の近くにある屋台のガスボンベが爆発したことによる事故だと報道した。

 中国当局は事件直後に、事件現場で2人が死亡し、重症を受けた5人は治療中に死亡し、また66人が負傷したと発表した。しかし、現場にいた目撃者の沈さんは大紀元に対して、爆発で少なくとも10人が死亡し、負傷した人の中に重傷者が多かったと明かした。

 沈さんは、当局が「重大なことを些細な出来事に変えてごまかし、事件真相を隠すのでは」「死傷した人に賠償して早く事を始末させ、関連情報も封鎖されるのでは」と述べた。

 いっぽう、中国政府系メディアは15日、事件発生直後に中国公安部の黄明・副部長が現地に入り、事件現場での指揮にあたったと報道した。公安当局高官の現地入りに、香港メディアなどは、今回は一般的なガスボンベ爆発事故ではなく、より深刻な事件の可能性が高いと指摘した。

(記者・顧暁華、翻訳編集・張哲)