環球時報のジャーナリストはこのほど、パナソニック株式会社を見学した。来年に「創業100年」という節目を迎えるこの企業には変化を求める緊迫感があると強く感じた。資料写真。

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100年の歴史を持っている老舗といえば、多くの人が日本の店を思い出すだろう。日本は世界レベルで認められる老舗を最も多く持っている国で、さらに1000年余り伝承されてきた企業も存在する。「事業を守る」ことが得意な日本企業は質が高い製品と巧みなサービスで「匠の精神」を確立したが、経営モデルの転換を急がないために失敗した企業も少なくない。環球時報のジャーナリストはこのほど、パナソニック株式会社を見学したところ、来年に「創業100年」という節目を迎えるこの企業には変化を求める緊迫感があると強く感じた。環球時報が10日付で伝えた。

同社の専務役員でコネクティッドソリューションズの社長を務めている樋口泰行氏は記者にイノベーションの必要性を述べた。「日本企業は中国市場ですでに明らかな製品優位を持っておらず、また企業のイノベーションスピードと効率も中国と差がある。パナソニックは解決案のプロバイダーへ転換し、改革に力を入れ、外部世界と歩調を合わせる必要がある」と樋口氏は指摘した。

経済界での影響力のみならず、その特殊な経歴もあり、樋口氏は日本で高い知名度を持っている。もともと樋口氏はエンジニアで、ハーバード大学でMBAコースを卒業してから、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入った。その後、日本ヒューレット・パッカード、ダイエーの社長、日本マイクロソフトの会長を務め、著書の「僕が『プロ経営者』になれた理由」は啓発的な自伝とされている。今年4月、樋口氏はコネクティッドソリューションズの社長に就任した。典型とは違うやり方でビジネス業界のベテランとなった樋口氏は59歳にパナソニックに戻ることを「めったに見られない」と表現し、現在の日本企業は変革を求めており、外部から経験がある人材を採用するという意を示した。

樋口氏は、外部人材の起用がパナソニックの革新に大いに役立つと考えている。「さまざまな企業で就職したことで、私はより多元的な考え方を持った。日本の大企業、特に高度経済成長期を経験してきた大企業には共通の特徴がある。つまり、ずっと同じ戦略を取っても成功できるという自信だ。だが現在はその時代とは異なり、企業は変革しなければならない。ずっと同じ企業で働いていたら、自分がどこを間違えたのかが分かりにくくなってしまう。変えようとしても変えられない。別の会社の経験から、彼らが何をしているかが分かるのだ」と樋口氏は述べた。

樋口氏の言うことは確かに正しい。パナソニックを築き上げた経営者の松下幸之助氏が提唱した終身雇用制度と年功序列などは、現在でも多くの日本企業に使用されている。しかし、2015年にパナソニックは年功序列を正式に廃止し、社内の競争制度を導入することにより、社員の積極性の向上を狙った。また、パナソニック中国はローカル化を推進するために、トップリーダー層に中国人を大胆に起用し、日本語能力を必須条件としていない。

「事業の守りと革新の間でいかにバランスを取るのか」という質問に対し、樋口氏は、企業は成長途中に自己を見失ったり、企業哲学を捨ててはいけないと話す。松下幸之助氏の経営哲学はパナソニックに生きており、今後も生き延びるはずだ。しかし、創業者の哲学は時代の制限があるため、目下の事情によって柔軟に運用しなければならない。外の世界に目を向けて、最新の考え方を獲得する。パナソニックは創業者の哲学に沿って、改革とイノベーションに積極的に取り組むべきだと指摘する。

ここ最近、中国の街頭であちらこちらにある各社の色とりどりのシェア自転車を見た時、樋口氏と在中国日本国大使館の大使は「あと100年たっても日本はこんなことを実現できない」と感嘆した。シェア自転車を推進する前に安全責任などの問題を解決しなければならないからだ。「日本は法律や規則による制限が多く、新しく生まれたものの広がりが難しくなっている」と日本人の多くが考えている。

「中国人はビジネスセンスが良くて、多くの不可能を可能にした」と中国市場のパワーと柔軟性を称賛しながら、樋口氏は改革の決意を強くした。パナソニックは自分の部屋のように、長く住めば住むほど、物が多くなっている。整理しなければ、発展を求めるのは難しい。日本が以前、安い労働力を求めるのにとどまっていた時期に、欧米企業は既にB2Bのモデルチェンジを進めた。パナソニックはB2CからB2Bに転換するだけではなく、単なる製品サプライヤーから解決方案の提供者に転換する必要がある。

パナソニックの熱加工事業部門とモーター事業部門を訪問した時、責任者は取材に対し、「単なる製品を提供するだけではなく、アフターメンテナンスなどのサービスを提供し、お客様と長期的なパートナーになることに取り組んでいる」などと述べた。(提供/環球網・編集/インナ、黄テイ)