Image: (C) 2017 WARNER BROS. ENT. INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED AND RATPAC-DUNE ENT. LLC


全く新しいスタイルでアーサー王伝説を描く映画『キング・アーサー』。

今回は本作でメガホンを取った、『スナッチ』などの作品でおなじみのガイ・リッチー監督に加え、主人公のアーサーを演じたチャーリー・ハナム(『パシフィック・リム』、『クリムゾン・ピーク』)、そしてジャイモン・フンスー(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、『ワイルド・スピード SKY MISSION』)のインタビューをお届けします。

関係者に質問を託す形で実現したインタビューですが、チャーリー・ハナム起用の経緯から、撮影現場でのキャンプの様子など、たくさんお話をしていただきました!


――なぜ今、アーサー王物語を映画化しようと決めたのでしょうか?

ガイ・リッチー(以下、リッチー):自分の限界を超える旅に出て、今の自分よりもっと壮大な人生に値する男へと進化していく。そんな人間を描きたかったんです。

私たちの物語では、アーサーの人生はスラムで生活し、ストリートを走り回り、仲間と一緒に戦い方や法の網をかいくぐる知恵をつけた無法者として始まります。その後、良い意図にしろ悪い意図にしろ、さまざまな人間が彼に近づき、自分のあるべき姿を無理やり押しつけられていきます。この伝説の本質はいわば、自己の超越と自立なんです。完全に自立するために、いかに他者への依存から完全に脱するかを描いています。

チャーリー・ハナム(以下、ハナム):ガイは伝説のヒーローの旅から、新しい世代の観客が容易に受け入れられるアーサーが活躍する、独創的な物語を作りました。僕たちのアーサーは独力で成長し、泥棒の間でだけ王子と呼ばれるようなガサツな人間で、ちっぽけな世界に生きています。彼にはまだ、大義を探し求めるような気高い魂が培われていないのです。

とにかく僕はガイの作品の熱烈なファンなので、彼がこのアーサー王の世界で創りだすものがとても楽しみでした。この映画に新鮮さと若々しさと興奮を盛り込み、若い世代が夢中になれるというアイデアがとても気に入ったんです。

ジャイモン・フンスー:僕は中世の世界を舞台にしたストーリーがもともと好きなんです。この映画のように、何もないところから王になっていく人物を描いたストーリーは特に。これは人間性を大事にしているストーリーです。あと僕はアーサーの物語から、アーサーのように不思議な力を本当に持っていたアフリカの王たちを連想しました。


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――アーサー王物語にはいつ、どのように出会ったのでしょうか?

リッチー:アーサー王伝説に関する私の体験というと、なんといってもジョン・ブアマン監督の『エクスカリバー』(1981年)でしょうね。少年時代に観て、とても刺激的で面白かったんです。たぶん、そのときに受けた影響が大きかったので、自分なりのアーサー王伝説をどうしても作りたくなったんだと思います。

ハナム:ガイと同じく、僕も子どもの頃に観た『エクスカリバー』が大好きでしたし、テレンス・ハンベリー・ホワイトの小説『永遠の王』をよく読んでいました。僕は田舎で育ったんですが、いつも枝を削って剣を作っていたんです。その中でも、特に大きな木材で作った自分なりの傑作の剣がありました。いわば、僕バージョンのエクスカリバーで、それを持って一日中、兄に戦いを挑んでいました。おバカな弟だったんです(笑)。


――チャーリーさんは、アーサー役を射止めるまでにかなり苦労をしたと聞きました。

ハナム:ガイのリストの真ん中にさえいなかったと思いますよ!(笑) 彼に「僕に会いたくない」とはっきり言われて、「待てよ、オーディションさえ受けさせないつもりか!? そんなのあるか! 冗談じゃない!」と思いました。彼と僕は共通の知り合いが多く、この映画の話が出る前から、ガイと組むべきだと複数の友人から何度も言われていたんです。だから僕の頭の中には、すでにガイとは友達になっている構図ができあがっていました。だから、少なくともお茶ぐらいは付き合ってくれてもいいんじゃないかと。

それからやっと、ガイが僕をオーディションに呼んでくれて、その後、他の俳優たちと一緒にセリフを読みました。一週間経って、ガイから「しょうがないな。クソったれ、君に決まりだ」と電話で言われたときは、驚きと喜びの両方が一気に湧き上がりましたね。


――本作に関わる上でどのような準備をしたのでしょうか?

ハナム:僕たちは、世界で偉業を達成している人たちをじっくり観察したんです。中でも自分がとても感銘を受けたのが、UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)王者のコナー・マクレガーでした。

僕が見たあるインタビューで、彼は次の対戦相手について聞かれると、こう答えたんです。「対戦相手はいない、リングの上では俺ひとりだ」。つまり、自分との闘いだという意味でしょう。自分を信じること、そして自分に何ができるのかを知ることがすべてなんですよ。しっかり準備をして、自分のほんとうの潜在能力を最大限にすることに集中していたら、どんな困難も克服できるはずです。

リッチー:私は何年もかけて、とてもハードなトレーニングをしましたね(笑)


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――撮影中に特別大変だったシーンはあるでしょうか?

ハナム:僕はスタントチームとじっくりトレーニングをして、身のこなし方をいろいろと教わりました。運よく大きなケガはありませんでしたが、ある日、数人俳優たちが足を引きずりながら現れて、ちょっとしょげていたんです。ボコボコにされた感じで。セットで何があったのかを聞いたら、彼らは「昨日、ジャイモンと撮影した」と答えました。ジャイモンはその撮影でまったく手加減しなかったようです(笑)。

リッチー:映画が崩壊するんじゃないか?という、どうしようもない恐怖が常にありました。恐怖には2種類あるんです。ポジティブな恐怖と、ネガティブな恐怖。どんどん奮い立たせてくれるような恐怖なら、私はそれを抱えたままやっていけます。

でもこれだけは言えますが、映画監督以上に喜びの大きい職業は思いつきません。そして、これはおおっぴらにはあまり言いたくありませんが、タダでもやります。実際のところ、お金を払ってでもやるな(笑)。


――一般的なアーサー物語に大胆で面白いアレンジが加えられていますが、そこにはどのような意図や方針があったのでしょうか?

リッチー:アイデア、テーマ、そしてスタイルのはっきり見える映画が、私にはしっくりきます。今回の場合、映画化する上でファンタジーの側面は必要だったので、いくつかの要素を融合させました。

大スクリーンにふさわしいファンタジー要素は、アーサー王神話の範囲内にも収まります。そしてアーサーが、その高貴なルーツに立ち戻る前は、街中で育った恵まれない若者としての起源を持つというアイデアも気に入りました。いかにも波乱万丈な人生と言えますよね。


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Image: (C) 2017 WARNER BROS. ENT. INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED AND RATPAC-DUNE ENT. LLC


――今回は監督のトレーラーでキャンプを張ったとのことですが、居心地はいかがでしたか?

ハナム:ガイはものすごく居心地のいいトレーラーを持っているんです。ガイがいったん暖炉に火をつけて、卵料理を作り始めたら、彼をトレーラーから引っ張り出すのはとても難しい。ガイはどこへ行っても、みんなが生き生きしてくる雰囲気を創り出す人なんです。

キャンプはもう最高でした。僕は前から映画の撮影現場で暮らして、その映画の雰囲気から出なくて済んだらどんなにいいだろうと想像していたんです。今回はごく短い期間の体験でしたけどね。僕たちはウェールズで3週間の撮影を行ったんですが、湖畔で小規模のキャラバンを組んで、みんなで一緒に生活しました。

朝の6時に氷のように冷たい湖に飛び込む奴もいたんです。僕らはそれを“死のダイブ”と呼んでいました。ガイはキャビンから出てくると、その日の撮影について話し始め、その後、一緒に朝食をとり、それぞれのトレーラーからセットへ歩いていったんです。そして、いつの間にか撮影が始まり、僕らはやるべきことをやっていました。あれはとてもステキな映画撮影方法でしたね。


***


『キング・アーサー』は、映画『シャーロック・ホームズ』と同じくらい、ガイ・リッチー的に味付けされたストーリーと映像にあふれた作品。インタビューの中に出た『エクスカリバー』とも、史実寄りの『キング・アーサー』(2004年)とも大きく異なる、今までにないアーサー王物語となっています。

ガイ・リッチー的なテンポの良いカットもさることながら、特に伝説の剣「エクスカリバー」を振るって繰り広げるアクションは凄まじく、笑っちゃうくらいにめちゃくちゃな力を発揮し、かなりゲーム的な映像が展開されます。例えるならば『三國無双』シリーズの無双乱舞。

加えて注目なのは、チャーリー・ハナムの肉体。今回の映画のために9キロも増量したというハードな筋肉は、選ばれていなくっても石から剣を抜けそうな迫力があります。

そんな凄まじい映像とボディが観られる映画『キング・アーサー』は2017年6月17日(土)、丸の内ピカデリー・新宿ピカデリー他全国ロードショー。


Video: ワーナー ブラザース 公式チャンネル/YouTube


Image: (C) 2017 WARNER BROS. ENT. INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI)
Source: 映画『キング・アーサー』公式サイト, YouTube

(傭兵ペンギン)