頭脳戦でかなりのエネルギーを消費する

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弱冠14歳の中学生棋士、藤井聡太四段の快進撃が止まらない。史上最年少でプロデビューを果たしてから、公式戦では負け知らず。2017年6月15日の対局でも13時間の熱戦の末に勝利し、26連勝を飾った。

連勝記録とともにしばしば話題になるのが、藤井四段が対局中に食べる食事やおやつのメニューだ。

プロデビュー最初の対局では「みそ煮込みうどん」

将棋は頭脳の格闘技。長時間の対局で相当消耗するため、おやつや食事でのエネルギー補給は重要だ。

藤井四段のプロデビュー戦は、2016年12月24日。相手は加藤一二三九段だった。77歳と最年長棋士ながら、うな重が大好物という加藤九段だが、この日は特上寿司を選んだ。対する藤井四段は、みそ煮込みうどん。この日、対局中の2人の様子をツイッターに書き込んでいた朝日新聞の村瀬信也記者は、藤井四段が注文したみそ煮込みうどんの写真を載せ、また夕食には卵チャーハンを頼んだと明かしていた。

以降、先輩棋士を次々と破る藤井四段に、注目は高まっていく。中でも、食事のメニューに関する報道は多い。5月12日、17連勝となった対局の際の昼食は「刻んだ油揚げに、だし巻き卵とネギがのったうどんに、天かす、刻み海苔、ネギの上に生卵をかけた卵かけご飯がついたもの」(同日付デイリースポーツ)。5月25日の対局では、昼食に五目焼きそば、夕食ではチャーシューメンだった(同日付スポーツ報知)。20連勝を飾った6月2日は、対局場所だった大阪・関西将棋会館にあるレストランから、豚肉の天ぷらをメーンとしたサービスランチを食べたと複数のメディアが報じた。

26連勝がかかった6月15日は、瀬川晶司五段(47)が相手。朝10時にスタートした対局は、13時間近くに及ぶ「死闘」となった。

この日に放送された「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)によると、対局では昼食が正午、夕食が18時と決まっている。タイトル戦を除いて、敷地の外へ食事に出かけることはできない。そのため、対局中の棋士に職員が出前の注文を取りに来るという。

食事は別室でとるが、おやつは対局しながらその場で口に入れて良い。以前、藤井四段が糖分補給でチョコレートを食べたところ、その後メーカーの社長が同じチョコ160個詰め合わせを2箱、藤井四段と関西将棋会館に送ったとの「逸話」まで登場した。

めん類が好みのようだが本人は...

藤井四段が、瀬川五段との対局中に出前を頼んだ昼食は、関西将棋会館からほど近いうどん・そば店「小雀弥(こがらや)」の「ぶっかけそばといなりの定食」だった。小雀弥は「お気に入り」のひとつのようで、店のウェブサイトには藤井四段からこれまで注文を受けた様子が「お知らせ」に掲載されていた。5月4日と12日にも出前しており、サイトには「胃袋をがっちり掴んだ(?)かもしれないのです」と書かれていた。

めん類を好んで食べているようだが、本人によると「特にこだわりはない」そうだ。

棋士がどんな「勝負飯」を選ぶかは、それぞれ違う。朝日新聞デジタルでは「名人が愛した食事とおやつ(将棋編)」と題した写真特集を掲載している。2014年4月8日〜9日に行われた「第72期名人戦・順位戦七番勝負」の第1局で、森内俊之名人(当時)と羽生善治三冠がそれぞれ注文したメニューが興味深い。森内名人は、1日目の昼食に天丼、おやつにバナナとマンゴーのケーキを、一方の羽生三冠は順にピザマルゲリータ、ショートケーキを頼んだ。2日目は、森内名人が昼食に「勝負食」のチキンカレーを、羽生三冠は前日と同じピザを口にした。そしておやつは、2人ともフルーツの盛り合わせを選んだ。

第2局以降も、ソースカツ丼にラーメン、焼肉弁当、うなぎと2人そろって高カロリーな「ガッツリメニュー」が並ぶ。それだけ、体と脳がエネルギーを欲していることが分かる。なおこの勝負は、羽生三冠が4連勝で森内名人を破っている。

瀬川五段と夜遅くまで戦った藤井四段は、「中1日」で6月17日、現役東大生のアマチュア、藤岡隼太さん(19)と対戦する。これに勝てば、歴代最多の連勝記録まであと1勝となる。対局ともども、「勝負飯」にも注目が集まりそうだ。