LiLiCoと共に

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 河瀬直美監督作「光」(公開中)の大ヒット舞台挨拶が6月15日、都内で行われ、主演を務めた永瀬正敏と映画コメンテーターのLiLiCoが出席。さらに終了間際には河瀬監督も駆けつけ、大きな盛り上がりを見せた。

 視力を失いつつあるカメラマンと視覚障がい者のための映画の音声ガイドを製作する女性が心を通わせていくさまを描く本作。今年のカンヌ国際映画祭では、人間の内面を豊かに描いた作品に与えられるエキュメニカル審査員賞を受賞した。

 LiLiCoは「これまでたくさんの映画を見てきて、こんなにも“言葉”というものに耳を傾けたことはなかった」と本作において言葉が持つ重み、力を強調。劇中、視覚障がい者が、映画を見るという行為について「スクリーンを見るよりも、もっと大きな世界に入り込んでいる」と語るシーンがあるが「映画を紹介する者として、(視覚障がい者だけでなく)みんなにとって映画がそうであってほしい」と訴える。永瀬はその言葉に強く同意し「あのシーン、実はアドリブです。実際に視覚障がい者の方に参加していただき、河瀬監督はあえて台本を渡さずに、素直な意見を聞いたんです。僕らにとっては身が引き締まる、『光』という映画の後半に向けての方向性が決まった大きな言葉でした」と明かした。

 劇中で、美佐子が携わる映画『その砂の行方』の音声ガイドのナレーションを樹木希林が担当しているが、永瀬自身、雅哉が完成した映画を鑑賞するシーンの撮影まで、その事実を知らされていなかったという。「当日まで、全然知らず、席に座って『その砂の行方』を見て、座った途端に希林さんの声が聞こえてきて『うわっ……』っとなりました。すごい説得力で、最後に『……光』と言うところはもうダメでした」と振り返った。

 舞台挨拶の最後の最後で、当初は登壇予定のなかった河瀬監督が到着しステージへ。河瀬監督は息を切らせながら「映画館で映画を見るってことは、人間に与えられた本当に幸せな時間だと思います。皆さんに今日、見ていただいた『光』の雅哉が見たあの空間と皆さんがいま、一体になったんじゃないかと思っています。映画に登場していただいた視覚障がい者のみなさんの言葉は、映画人にとって奇跡のような言葉です。映画という大きな大きな世界に存在してるんだっていう奇跡を、映画を作りながら実感していました」と語り、映画館という空間で作品を観客と共有できる喜びと感謝を口にすると、会場は温かい拍手に包まれた。