「50万円携帯音楽プレーヤー2代目」の実力は? A&Kの新シリーズ最上位機、SP1000を試してみた
株式会社アユートが、Astell&Kern(アステルアンドケルン、以下A&K)ブランドのポータブルオーディオプレーヤー「A&ultima SP1000」を発表しました。
モデル構成は、本体外装ににステンレススチールを使ったStainless Steelモデルと、銅を用いたCopperモデルの2種。発売日は前者が2017年7月7日(金)より、後者は現状では未定です。

A&Kは昨今の高級ポータブルオーディオ機の流れを作ったメーカーですが、本機の直販価格も49万9980円(税込)と超高級。「実売50万円」で知られた「AK380」に続き、ある意味で同社のフラッグシップ機としてふさわしい値付けになっています。
発表に先駆けて行われた試聴イベントでは、試聴用に用意された音源のほか、持ち込みの音源も試せましたので、その実力をじっくりと確認してきました。

【ギャラリー】SP1000SS (70枚)



A&Kといえば、ハイエンドなポータブルプレイヤーの中でも、歴史の長いブランド。オーディオ愛好家の中では、そのポテンシャルの高さから根強い人気を集めています。



モデル名の前に付けられた「A&ultima」(エー・アンド・ウルティマ)は、今回新たにカテゴライズされた上位ブランド。SP1000はその中の第一弾であり、ハイエンドとして位置付けられるモデルとなります。

高級ポータブルプレーヤーで重要となるDAC(デジタル-アナログコンバーター)チップには、旭化成エレクトロニクスの最新モデル「AK4497EQ」をデュアル(L/R独立して1基ずつ)搭載。高音質フォーマットへの対応としては、DSD256(11.2MHz)、PCMは384kHz/32bitをネイティブ対応します。



充電およびデータ転送は、USB3.0(Type-C)を採用し、従来機種と比べて2倍の速さのデータ転送を実現します。また、高速充電にも対応し、約2時間の充電で最大12時間の連続再生を可能としています。



肝心の音質ですが、ステンレスモデルとカッパー(銅)モデルでまったく同じ基板、部品構成であるにもかかわらず、そのボディ材質に応じた味わいの差が感じられました。ステンレスモデルでは、メリハリの効いたオールマイティなサウンドで、カッパーモデルは、豊かで重厚感のあるサウンドといったイメージです。



例えば、ステンレスモデルでは「TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND」のようなテクノや、ロックやポッップスなどの多くの曲で気持ちのよいシャープなサウンドが楽しめます。また、解像感もよくバランスよく鳴るのでジャンルを問わずに楽しめるモデルといえます。



カッパーモデルは、ありきたりな表現で言うとジャズやクラシックなどで重厚なサウンドが楽しめると表現できるのですが、同じジャズでも管楽器のアタックのシャープさを求めたいならステンレスモデル、ロングトーンの豊かな伸びや余韻を重視したいならカッパーモデルと言った感じでしょうか。

藍井エイルならステンレスモデル、花澤香菜ならカッパーモデルと言ったほうがわかりやすい方もいるかもしれませんね。







パッケージや付属品もハイエンドモデルにふさわしく、高品質なもの。パッケージはブナ材を使用した重厚な木製ボックスを採用します。付属ケースは、スウェーデン「TARNSJO」製のレザーケースです。



また会場では、現行のフラッグシップモデル「AK380」(右)との比較もしてみました。
まずは運用の感触に関しては、SP1000がストレートボディになったことでバランスも取れ保持しやすくなりました。

さらにUIの操作性は、慣れの部分もありますがSP1000の方がより直感的に操作しやすいという印象。

そして注目したいのがmicroSDのスロット。SP1000ではトップパネル側に移動したことでケース装着時でも交換がしやすくなっています。ただし一方で、形状はスマートフォンのSIMスロットのように、ピンが必要なトレイ式となりました。脱着には専用工具(ピン)が必要になるため、ここは好みが分かれそうです。

次に音質ですが、AK380も2年前の発売当初は50万円前後とSP1000と同じ価格帯からのスタートでした。今でもハイエンドモデルでは根強い人気があり、古さを感じさせないスペックを誇ります。が、聴き比べてしまうとその圧倒的な実力を感じざるをえません。

SP1000は絶対価格の点から万人が選択し得るモデルではないと思いますが、費用対効果や音楽体験そのものだけを論じるのであれば、既存のプレイヤーを大きく引き離した仕上がりになっていると感じました。

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