シリア・アレッポの自宅で撮影された現在のオムラン君の姿。昨年8月の空爆で血まみれになった映像は民間犠牲者の象徴とされた(2017年6月6日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】ロシア主催の国連のイベントで14日、昨年のシリア北部アレッポ(Aleppo)で空爆を受け、血まみれになった少年オムラン(Omran)君の現在の姿を捉えた映像が公開された。少年のイメージは当時、民間人の犠牲の象徴として広く捉えられた。このイベントでロシアは、アレッポでの軍事衝突に関する「フェイクニュース」を非難した。

 2016年8月、空爆されたアレッポの自宅のがれきから救出され、救急車のシートに呆然とした表情で座る、ちりと血にまみれたオムラン君の姿を捉えた映像は世界に衝撃を与えた。米国はオムラン君をシリア内戦の「真実の顔」と表現した。

 国連人権理事会(UN Human Rights Council)の同日のサイドイベントは、スイス・ジュネーブの国連ロシア代表部が主催。公開されたオムラン君の姿は、まったくの別人のように見えた。

 アレクセイ・ボロダフキン(Alexei Borodavkin)ロシア大使は、14日のイベントの目的について、「アレッポがテロリストからの脅威にさらされていた当時、そして脅威が取り除かれた後で起きた出来事の真実を語る」ことだと述べた。

 映像では、父親の膝の上に座るふっくらとしたほっぺたのオムラン君の姿が見られた。ロシア軍関係者と地元政治家らが同席したアレッポから中継の映像で父親は、自分の息子の画像を「マスメディア」が無許可で撮影・配信したとして批判。そして「私は自分の息子を平和の象徴にしたい」と語った。同日のイベントは、ロシア当局からの招待を受けての参加だった。

 ロシア政府は、反体制派の拠点だった東部アレッポでの壮絶な衝突で、シリアのバッシャール・アサド(President Bashar al-Assad)大統領の軍隊を支援し、世界から厳しい批判を浴びた。アサド政権は5か月におよぶ包囲攻撃の末、昨年12月に同地域を奪還。ロシア軍機は連日アレッポでの空爆を行ったが、国連によると、化学兵器を投下したことを示す証拠はないという。

 ボロダフキン大使は14日のイベントで、メディアはロシア政府とシリア政府を非難するために、「テロリスト」の役割を軽視すると同時に、軍事行動に関する「フェイクニュースを拡めた」と批判した。
【翻訳編集】AFPBB News