by Alan Levine

「世界のインターネットのトレンド」や「ネット広告」「インタラクティブゲーム」「メディア」「クラウド」「中国のインターネット」「インドのインターネット」「ヘルスケア」など、数々の情報が詰まったレポート「2017 Internet Trends」が公開されています。

2017 Internet Trends - Kleiner Perkins Caufield Byers

http://www.kpcb.com/internet-trends

Mary Meeker's 2017 Internet Trends Report by Josh Constine

https://www.scribd.com/book/349976485/mary-meeker-s-2017-internet-trends-report

全世界のネットユーザーの数を示したグラフ。棒グラフがユーザー数、赤い折れ線グラフが成長率。ユーザー数は順調に増加していて、2009年から2014年にかけて成長率がやや鈍っていましたが、2015年以降は回復傾向にあります。



OS別のスマートフォン出荷数を見てみると、2009年時点ではほぼいないも同然だったAndroid(青緑色)が圧倒的シェアを占めています。ただ、赤い折れ線グラフが示しているように、2010年には80%近い成長率でしたが、もはや伸びしろはゼロに近い状態です。



インターネットと広告の関係に注目すると、全世界的にインターネット向けの広告費用(青)はぐんぐんと伸びています。一方で、「競争相手」であるテレビの広告費用(赤)が落ち込んでいるのかと思いきやこちらも伸びています。しかし、いよいよ「広告の王様」の座はテレビCMからネットへ移ることになりそう。



その流れに乗るように、広告を非表示にする「アドブロック」ソフトやアドオンを利用するユーザーの数も増えています。デスクトップ向け(赤)では2013年ごろから利用数が伸びてきていますが、注目すべきはモバイル向け(緑)で、デスクトップ向け以上の勢いでアドブロックが浸透しています。右側は国別のアドブロック利用率。ドイツではデスクトップ向けでユーザーの28%がアドブロックを利用しており、ニュースサイトや大手メディアがAdblock Plusを違法だと訴える裁判を起こして6度敗訴しています。モバイル向けだとインドネシアが58%と圧倒的。



では、すべての広告が嫌われているかというとそうではないこともわかっています。モバイルアプリでクリックするとポイントが得られるようなリワード広告、SNSに含まれるクリックしてはじめて再生されるような広告、あるいはYouTubeなどの動画サイトで動画再生前に挿入され途中でスキップすることも可能なプリロール広告は、ユーザーの半数以上からポジティブな反応を得られています。裏返せば、それ以外のモバイル向けのポップアップ広告やバナー広告、そして勝手に再生される広告、スキップ不可能なプリロール広告などはネガティブな反応の方が多い状態です。



「正しい広告を、正しい場所に配置する」というポリシーを守り続けているのがGoogleです。検索結果の上方と右側にスポンサーリンクが表示されますが、左側の検索結果一覧部分には広告は決して入ってきません。



結果として、Googleは順調な成長を遂げています。



一方で影響力を増してきているのが、Instagramでユーザーが自発的に撮影してアップした写真などの「UGC(User Generated Content:ユーザー作成コンテンツ)」です。



カタール航空やレッドブル、BMWなどはUGCがブランド認知度アップに貢献していることがわかっていて、ここには「正のスパイラル」が生まれています。



また、フォロワーに大きな影響力を持つ情報を拡散する人(インフルエンサー)の存在も重要です。



UGCの主役は文字より、写真などビジュアルイメージを喚起するもの。



写真と「意味」を結びつけるものとしては、Googleが開発した撮影した被写体がなにかという情報を教えてくれる「Google Lens」があります。



画像解析と位置情報による写真と現実世界との紐付けができてきているということで、今後は写真と広告とを連携させていくこともできるようになるはず。この種の技術は今後、より重要な技術になっていくと考えられます。



Googleのモバイル検索利用のうち20%は音声検索だったとのこと。



「手軽だから音声検索を使う」という理由もありそうですが、実用に耐えうる精度であるという点が大きなポイントです。人間並の精度のしきい値は95%だそうですが、Googleは2017年にいよいよその領域に迫っています



ネット通販の好調を受けてか、アメリカの「荷物」量はじわじわと増加中。2013年までは成長率は年4%ほどでしたが、2014年からなぜか伸びています。



YouTubeでは「開封」が1つのエンタテインメントとなっています。この分野のトップ5である「Ryan's Toy Review」「Fun Toys Collector Disney Toy Review」「Disney Car Toys」「Toy AndMe」「Blu Toys Club Surprise」の購読者数を合わせると3300万人にも上ります。



アメリカのデータですが、ネット通販の取扱額は右肩上がり。成長率も年14%から18%という勢いです。



ゲームは1人で遊ぶものから2人で対戦・協力するものへ、そしてネットワーク経由で多くの人と楽しむものへと進化し、ついにはeスポーツへとたどり着きました。



アジア太平洋地域は中国やインドなど人口の多い国があるだけに市場も巨大。



アメリカに限っていえば「ゲーマー」の平均年齢はおよそ35歳。2003年と比べるとやや上昇していますが、上がり続けているわけではないので、新しい層も順調に流入しているようです。



また、ゲーム実況とその鑑賞というジャンルも伸びています。



eスポーツの月間視聴者数も、年に20%以上というペースで増加中。



視聴者層は主に21歳〜35歳。グラフの青色は男性、緑色は女性で、割合でいえば男性の方が多いものの、女性も少なからずいることがわかります。



音楽産業の売り上げのピークは1999年〜2000年ごろ。ダウンロード販売が始まってからはCDなどの物理メディアは一気に減速していて、今ではダウンロード販売もストリーミングやサブスクリプション型サービスに追い抜かれているという状況です。



音楽配信サービス「Spotify」はその代表格。青は売上、緑は有料ユーザーを示していますが、年々伸びているのがわかります。



Spotifyと同じようなグラフを描いているのが、映画・ドラマの配信で知られる「Netflix」。こちらも青が売上、緑がユーザー数を示しています。



「ダウンストリーム(下りのトラフィック)を占めているメジャーなサービスは何か」を示したのがこのグラフ。モバイル環境ではYouTubeが強いことが分かりますが、2012年(緑)と比べると2016年(青)のシェアは減少していて、FacebookやInstagramなどが伸びてきています。



環境をモバイルに限定しない場合はNetflixが圧倒的です。



テレビやラジオの「アナログ端末」とPCやスマートフォンなどの「デジタル端末」を1日にどれぐらい利用しているかを示したグラフ。アナログの数字は変化していませんが、デジタルの利用時間がぐんと伸びています。



同じ調査の結果を年代別に分けると、デジタル端末を利用する時間が最も長いのは35歳〜49歳で、1日平均5時間19分でした。仕事でスマートフォンを使う機会が多いからでしょうか。



クラウドの利用割合の変化を示したグラフ。パブリッククラウド&プライベートクラウドの割合が増えています。



このグラフでは「スパム」の危険度が上がっていることが分かります。緑色はマルウェアが添付されていないスパム、青はマルウェアが添付されているスパムで、2015年第1四半期の平均値を100と置いています。以前からマルウェアの添付されているスパムは存在していましたが、2016年以降、マルウェア付きのものが激増していて、スパム全体の数も約2年で4.5倍に増加しています。



193ページからは中国の情報がまとめられています。中国のモバイルインターネットユーザーの数は2016年には約7億人にも上っています。成長率は以前に比べればかなり落ちてきていて、いまは約10%。



インターネットに費やされる時間もどんどん増加しています。



どんなアプリやサービスを利用しているのかという内訳がコレ。WeChatやQQをはじめとしたテンセントのコンテンツが人気を集めています。