ナルシストとサイコパスを雇わないための採用方法

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マネジメント全般に対する私の強い関心を知る友人2人と先日話した際、それぞれが自分の組織で経験した深刻なマネジメントの問題が話題に上った。2人の経験に共通していたのは、重要なマネジャー職について、好感度や第一印象の素晴らしさなど、候補者の人格的な要素を主な基準として採用を即座に決めていたことだった。

しかし、どちらもすぐに状況が悪化した。第一印象は良かったものの、新マネジャーはいずれも技術的知識・能力に欠け、周りとうまく協働できなかった。どちらの場合も大きな問題に発展し、マネジャーは1年以内に退職して、組織に深刻な混乱が生じてしまった。

誰をマネジメントの役割に採用するかによって、結果は大きく変わる。全てのレベルのマネジャーが、経済的・感情的に従業員の生活を左右する力を持っている。この点を指摘した力強いメッセージとして私が以前から気に入っているのが、米世論調査会社ギャラップの最高経営責任者(CEO)を長く務めてきたジム・クリフトンの次の言葉だ。

「ビジネススクールではおそらく絶対に教わらないことがある。仕事をする中で唯一最大の決断とは、誰をマネジャーに任命するかだ。誤った人材を選んでしまうと、その誤った判断を解決する手段はない。報酬も、諸手当も何も効果がないのだ」

それでは、誤った人材の採用をどうすれば防げるのか? 少なくとも最良の人材を採用する可能性を高めることはできないのか?

採用プロセスに多くの段階があることはもうお分かりだろうが、指針としてあらゆる場合に役に立つと私が信じる1つの原則がある。私はこれを「採用の黄金原則」と呼んでいる。

その原則とは、「好感度やカリスマ性、性格の力に過度に左右されず、その代わりに具体的で検証可能な業績に注目する」だ。

私は、可能な場合は常に内部からの採用を好んできた。より広範な従業員層に正しいメッセージを送れるし、採用マネジャーとして候補者の実際の仕事ぶりを、より長い時間かけて(時間単位ではなく年単位で)観察できる。

しかし、適切なスキルの組み合わせを持つ人材がたまたまおらず、内部採用が不可能な場合ももちろんある。そのときは、より広い層を対象として採用活動を行う他に選択肢はない。

私は、トップ管理職採用の大失敗でもたらされた破滅的な結果と、こうしたダメージを元に戻すのにどれほど長い時間がかかるかを個人的に近くで目撃してきた。(修復には大抵、数か月ではなく数年かかる。それも修復が可能であれば……の話だ)。その経験から、リスクを緩和するための戦略についていくつか提案をしたい。

人事部の幹部や大きな部署の採用責任者など、あなたが上級レベルの採用に多く関わっている職に就いているのであれば、ナルシストやサイコパス(精神病質者)の主な性格的特徴を知っておくとよい。どちらのタイプも非常に魅力的に見え、面接での印象も良い。対人関係を操るのにも長けているが、権力のある地位に就くと組織に破滅的な影響をもたらしてしまう。

ポール・バビアクとロバート・ヘア著の『社内の「知的確信犯」を探し出せ』はサイコパス的な性質とマネジメント、そして指導職に驚くほどサイコパスが多いことについて包括的に考察した素晴らしい本だ。また、ブリティッシュコロンビア大学の2014年の研究では、ナルシストがより「普通」の候補に比べて採用面接で良い結果を残す傾向にある理由について調査している。この2つは、採用担当者にとって必読資料であろう。

上級レベルの採用は組織的な不透明感も大きく、難しい仕事だ。記事冒頭で言及した失敗例に話を戻すと、適切な知識を持っていれば採用による最悪の事態は避けることができる。そして候補者の実績は、笑顔よりもはるかに高い価値がある。

誤解のないように言うが、人的魅力はビジネス上の素晴らしい資質となり得る。これに反論するのは全く意地の悪い人間だけだろう。しかし、具体的で検証可能な実績がないのに、魅力だけがあまりに際立つ場合は、十分に気を付けてほしい。