Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)が、Bloombergのインタビューを受け、スティーブ・ジョブズ氏の人となりから、HomePod、ドナルド・トランプ大統領に至るまで、様々な質問に回答しています。

ジョブズ氏と比較されがちなクック氏

2011年にこの世を去ってもなお、Appleと言えばスティーブ・ジョブズ氏と答える人が多いことは想像に難くありません。そんな彼の後継者として、Appleを率いているティム・クック氏は、否応なしにジョブズ氏と比べられることとなります。
 
クック氏は一体何を遺してくれるのか――そんなハードルの高い質問に対し「正直に言って、私はそういうタームで考えていない。むしろ考えているのは、やるべきことについてだ。私のことは善良で礼節のある男だと覚えていてくれればいい。人々がそう記憶してくれるなら、それで成功だ」と、同氏は控えめなトーンで話します。
 

 
MITの卒業式で述べたように、やはり彼もまた創業者であるスティーブ・ジョブズ氏の壮大なプランに魅せられた一人でした。
 
クック氏はジョブズ氏について、彼は異常なまでに詳細にこだわる人間だったと語ります。“良い”は“十分だ”、を意味しない――この気質こそがAppleを前進させてきたのだ、とクック氏。「我々のテクノロジーは、素晴らしくなければならない、あるいは彼の言葉を借りれば、『とてつもなく素晴らし』くなければならない。なぜならば、これこそが未来をコントロールし、品質やユーザーエクスペリエンスをコントロールできる唯一の方法だからだ」

HomePodは単なるSiri用デバイスじゃない

先日のWWDC 17で発表されたHomePodに話が及ぶと、クック氏は「単にSiriを自宅に置いたというだけのデバイスではない」と熱弁を振るいます。彼によれば、すでにSiriはiPhoneなどを通して自宅に存在しており、HomePodがもたらすのはむしろ、「最適化された音楽と本能」なのだそうです。
 

 
349ドル(約38,500円)という価格はAmazon Echoと比べると決して安いものではありませんが、きっと満足してくれる、と彼は期待を滲ませます。「iPodが登場したとき『どうしてみんなMP3プレイヤーに399ドル(約48,400円)も払いたがるんだ』と、多くの人々が言った。iPhoneが登場したときも『みんなはiPhoneに金を払うんだろうか』、iPadのときも同じだった」

AR本格対応で何が起こるか想像もつかない


 
拡張現実(AR)と言えば、iOS11からはARkitを用いることで、開発者はiPhoneカメラとリンクしたARアプリを作成することが可能となります。つまり、何百万人ものiOSユーザーが、アプリを通してARを本格的に体験する日が間近に迫っているというわけです。
 
「本当に興奮してるし、叫びたいくらいだ」とクック氏も期待を覗かせます。「どんなものが登場するのか、我々すらも想像できないよ」

トランプ大統領とは余りにも違いすぎる

そして最後に、ドナルド・トランプ大統領についても触れておかなければなりません。
 
大統領当選前から2人が険悪なムードだったことはよく知られており、最近もパリ協定からアメリカの離脱をトランプ大統領が決意したことについて、クック氏が「私たちの星にとって間違ったことだ」と遺憾の意を示しています。
 
今回のインタビューでもクック氏は「様々な事柄で見方が全くと言っていいほど異なるんだ」と、トランプ大統領と反りが合わないことを率直に認めます。それでも「アメリカのことはとても心配している」とクック氏。「アメリカには良くなって欲しいんだ。政治のイザコザよりもアメリカのほうが重要だと思うよ」
 
インタビューの完全版については、6月19日に発売されるBloombergの雑誌にて公開される予定です。
 
 
Source:Bloomberg
(kihachi)