『もいもい』と『うるしー』(ディスカヴァー・トゥエンティワンの発表資料より)

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出版社の「ディスカヴァー・トゥエンティワン」は2017年6月14日、赤ちゃんの脳の働きなどを研究している「東京大学あかちゃんラボ」と協力し、『あかちゃんが選んだあかちゃんのための絵本』シリーズを創刊すると発表した。

「あかちゃんの好きなイラストを使った」とうたっている絵本はたくさんあるが、実際に赤ちゃんが選んだ絵本は初めてという。東京大学と2年がかりの共同研究により、実験を通して赤ちゃんが好きなイラストを決めた。同年7月12日に3点を発売する。

大人が思う『好き』は、赤ちゃんには『嫌い』かも

同社の発表資料によると、「赤ちゃんは何が好きなのか、何を考えているのか、よし赤ちゃんにきいてみよう!」という発想で生まれた。「東京大学あかちゃんラボ」は、「あかちゃん学」を専門とする同大大学院総合文化研究科の開一夫教授が主宰する研究室。乳幼児が「正義の味方」を応援することを明らかにするなど、ユニークな研究を行っている。J-CASTヘルスケアでも2017年2月1日付「生後6か月の赤ちゃんに『正義感』 いじめを退治するヒーローが好き」(https://www.j-cast.com/healthcare/2017/02/01289411.html)で、その研究を紹介した。

共同研究チームは、どんなイラストが好きなのか実際に赤ちゃんに選んでもらうために、絵本イラストコンペティションを開催。4人の絵本作家にイラストを依頼、開教授の研究室で、赤ちゃんにイラストを見せる実験を行なった。「選択注視法」(長く見たほうが勝ち!)により、イラストを決めた。その結果、赤ちゃんの目をくぎづけにしたのは『もいもい』(作・市原淳)。注目度はほかの2倍以上で、泣く子も泣き止んで見つめた。

キャラクター部門では、「選択注視法」で一番人気だったのが『うるしー』(作・ロロン)。見習い手品師うるしーが帽子からいろんなものを取り出す話で、パパママたちの投票とはまったく逆の結果だった。最後に、赤ちゃんが持つ「トゲトゲ」や「チクチク」などの言葉のイメージを、実験を繰り返してイラスト化した絵本が『モイモイとキーリー』(作・みうらし〜まる)。

この絵本について開教授はこうコメントしている。

「赤ちゃんの研究をしていると、『赤ちゃんは明るい色が好きですよね』とか『丸い形が好きですよね』といった質問をよくされますが、大人が思っているほど単純ではありません。大人が思う赤ちゃんの『好き』は、赤ちゃんにとって『嫌い』かもしれません。赤ちゃん学絵本プロジェクトは『赤ちゃんの立場』を尊重し、赤ちゃんが本当に好きな絵本を作ることがもくろみです」