萩生田光一ウェブサイトより

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 本日午後、松野博一文科相が再調査結果を公表し、19の文書のうち14の同じ内容の文書が見つかったと発表した。そのなかには、焦点となっていた「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」と書かれた文書も含まれていた。

 しかし、この再調査によって爆弾級の事実があきらかになった。それは、昨年11月1日に内閣府から文科省に送られたメールだ。

 そのメールでは、8日後に開かれる国家戦略特区諮問会議での獣医学部新設の原案についてやりとりされているのだが、添付書類では「現在、獣医師系養成大学等のない地域において」という文言に、手書きで「現在、【広域的に】獣医師系養成大学等の【存在し】ない地域に【限り】」(【】内が手書きの修正箇所)と修正が加えられている。そして、メールの本文には、こう書かれているのだ。

〈添付PDFの文案(手書き部分)で直すように指示がありました。
 指示は藤原審議官曰く、官邸の萩生田副長官からあったようです。〉

 これまで何度も指摘してきたように、昨年11月9日の国家戦略特区諮問会議において「広域的」「限る」というエリアの限定が条件として打ち出されたことによって、獣医学部新設に名乗りを上げていた京都産業大学が事実上、振り落とされた。なんと、それを直接指示していたのは、萩生田光一官房副長官だったというのだ。

 これは加計学園を前提にした獣医学部新設を、官邸が主導していたことをはっきりと裏付ける証拠であり、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」という文書の記載が間違いではないことを証明するものだ。

 そもそも、萩生田官房副長官は"安倍首相の側近中の側近"と呼ばれるほどに絶大な信頼を置かれている人物であると同時に、いまも加計学園が運営する千葉科学大学で名誉客員教授を務めている、安倍首相と加計学園のパイプ役と言うべき立場だ。さらに2009年〜12年の落選中には、客員教授として月に約10万円を報酬として受け取っていたこともわかっている。

 だが、そんなベッタリな状態にあるにもかかわらず、6月14日の衆院農林水産委員会では、前川喜平・前文科省事務次官に「獣医学部の件でよろしく」と言ったとされる内閣官房参与だった木曽功氏が千葉科学大の学長を兼任していたことを「知らなかった」と答弁。客員教授なのに学長が誰なのかも知らなかったとは苦しすぎる話だ。

 しかも、今治市が国家戦略特区に指定される約9カ月前の2015年4月2日、今治市職員が首相官邸を訪問していたことが発覚すると、「官邸訪問の書類は破棄された」「訪問先を確認することは困難」の一辺倒。文科省の再調査が決まったときも「実在したとしても、その紙自体が正しいかどうかは次の話だ」と述べるなど、一貫して無責任かつ強硬な態度をとり続けてきた。

 しかし、このメールと添付PDFの存在によって、国家戦略特区による獣医学部新設で、加計学園に決定打の指示を出したのが、ほかならぬ萩生田官房副長官だと判明したのだ。

 もちろん、名誉客員教授として萩生田官房副長官が単独で便宜を図ったということではない。前川氏は木曽氏のみならず、和泉洋人首相補佐官から直接、「総理は自分の口から言えないから私が代わって言う」と言われたことを証言しているし、今治市が開示した資料でも国家戦略特区による獣医学部新設が加計学園ありきで進んでいたことははっきりと示されている。内閣府がひれ伏し、官邸が総動員する人物──安倍首相の「ご意向」あってのものであることはあきらかだ。

 明日、参院予算委員会で集中審議が行われるが、たった1日で幕引きできるような問題ではない。萩生田官房副長官の関与が証拠として出てきたいま、国会が閉会しても、徹底追及を継続させなければならない。
(編集部)