学生の窓口編集部

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アニメーターは、アニメの動画を制作する職種です。アニメーターはアニメの命である「生き生きした動き」をつくり出す大事な仕事。アニメーターがいなければ、絵は動きません。今回は「アニメーターになるには」についてご紹介します。

■アニメーターの仕事とは?

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アニメーターの仕事は動画を制作することです。そもそも「animator(アニメーター)」という単語は「生気を与える人」という意味。「動画制作者」は、絵を生き生きと動かす人なので「アニメーター」と呼ばれるのです。

アニメーターの仕事には「原画」と「中割」があります。それぞれ担当する人を「原画マン」「動画マン」と呼びます。原画マンは、動作の開始点、またシーンの重要なキーポイントになる「絵」を担当します。
動画マンは、原画と原画の間の中割という絵を担当します。原画マンは、原画と原画の間を何枚の絵で割るか(何枚の絵を描くか)と、どのように動かすかの指示を出します。動画マンはその指示に従って、中割の絵を描きます。
簡単にいうと、パラパラ漫画の最初と最後の絵を担当するのが原画マン、間の動きの絵を担当するのが動画マンです。

アニメーターになるとまずは動画マンとして仕事をします。中割がどのように描かれるかがわからないと、動画制作について理解していることにならないからです。動画マンとしての経験を積み、スキルが認められると原画マンに昇格することが可能です。

原画マンでその才能や技術を認められると、「作画監督」にステップアップすることも。作画監督(また総作画監督)になると、動画制作の全体を見て仕事をすることになります。原画マンを経て演出家になるケースも少なくありません。

■アニメーターになるには? 特に資格はいりません

アニメーターになるのに特に資格が求められることはありません。必要なのは「画力」です。また、何百枚、何千枚と絵を描くので、当然ですが絵を描くことが好きでないと務まらない仕事です。

しかし、いくら画力があって絵を描くのが好きでも、いきなりフリーランスのアニメーターというのはなかなかありませんので、アニメーターになるには、まずどこかの制作会社に入社(あるいは所属:後述)する必要があります。フローとしては次の2つが一般的です。

●専門学校経由で
高校卒業

専門学校・アニメーター養成コースなど

アニメの制作会社

●大学経由で
大学(美術・デザイン系)卒業

アニメの制作会社

アニメの制作本数があまりにも多いため、アニメ業界全体でアニメーターが足りないと言われています。しかし、制作会社がほしいのは早く戦力になってくれる人です。新卒でアニメーターの募集をかけている企業もありますが、そこでも大事なのは画力。制作会社の選考をパスするだけの画力を磨いておかないと、アニメーターにはなれないのです。

■アニメーターのお給料は?

アニメの放送スケジュールがありますので、それに合わせて制作は進行します。つまり締め切りがあるわけで、限られた時間の中でアニメーターは動画制作をしているのです。スケジュールがタイトですと、なかなか家にも帰れないといった事態も発生します。ですから、忍耐強く仕事をこなし、また体力がないと務まらないのがアニメーターです。

また、残念なことにアニメーターのお給料はいいとはいえません。制作会社、スタジオと正社員、また契約社員として雇用契約を結び、仕事をすれば、普通のサラリーマンのように固定給となりますが、制作会社(あるいはスタジオ)に所属という立場ですと、これは「フリーランス」になってしまいます。アニメーターの場合、このフリーランスの人が圧倒的に多いのが現実です。

フリーランスの場合は給料は歩合制になります。1枚描いて、また1カット描いていくらというものですので、描けば描くほどお金はたくさんもらえますが、単価がとても安いのです。また、1カット描いて4,500円であっても、そこに原画が何枚必要かで原画マンの描かなければならない絵の枚数は変わりますね。

通常1枚で済むことはない(止め絵なら別です)ので、例えば5枚必要なら1枚当たりの単価は900円、10枚必要なら450円になってしまいます。さらに、いくら能力があったとしても、人間が単位時間当たりに描ける絵の枚数には限度があります。いくら無理をしても収入の限界が見えているというのは苦しいことです。

『日本アニメーター・演出協会』(JAniCA)の調査によりますと、アニメ制作者の平均年収は「332万8,300円」となっています。日本のサラリーマンの平均年収が約400万円といわれますから、平均よりも約70万円は低いことになります。

また同調査の「仕事上で自己負担になっているもの」という支出項目を見ると「仕事場所の使用料」があります。これはフリーランスのアニメーターの場合、仕事場所であるスタジオにその使用料を支払わないといけないというもの。自由記述では「仕事場所の使用料が年収の3割。原画4,000円なら1,200円の負担」「仕事場所の使用料:給与の1割」といった回答もあったようです。

データ出典:『日本アニメーター・演出協会』の「アニメーション制作者 実態調査報告書2015」
http://www.janica.jp/survey/survey2015Report.pdf

アニメーターになるにはどうすればいいかについて解説しました。日本はクールジャパンと銘打ち、アニメを世界に誇れるコンテンツとしていますが、制作現場ではアニメーターのみなさんが薄給で働き、それを下支えしているのが現実と言えるでしょう。いくら情熱があっても、生活が苦しいとその情熱もすり減ってしまいます。確かに、アニメーターとしてアニメの制作に参加できることには夢がありますし、自分の描いた絵が動き、視聴者に喜んでもらえるのでやりがいのある仕事です。ですが、アニメーターを目指す人は現場の現実についても知っておいたほうがいいでしょう。

(高橋モータース@dcp)