鹿児島市で行われている「火山灰の収集」について取材した。

鹿児島には「火山灰専用袋」がある

「燃えるゴミ」や「不燃ごみ」、「粗大ゴミ」など一般的なゴミに加えて、日常的に「火山灰」の収集が行われている地域があるのをご存じだろうか。

先日Twitterに、「久しぶりに“鹿児島”って感じの袋が!!」と火山灰専用袋の画像が投稿され注目を集めた。

その袋がこちら。

提供:鹿児島市

Twitterの投稿を受けて、ネット上には「こんなものがあるんだ!」「鹿児島出身だけど、市外だから知らなかった」「新鮮」と驚く声が。

「火山があるって、こういうことか」「大変だなぁ」という声も投稿されている。

「降灰ステーション」に出す→巡回車が回収

克灰袋を提供している「鹿児島市」に取材して、詳しい話を聞いた。

同市では市民が、各家庭等の降灰を「克灰袋」などに入れ、市の指定した宅地降灰指定置場(降灰ステーション)へ出す。

市内には同置場が約6500ヶ所あるという。

提供:鹿児島市

出された灰は、市が発注した宅地降灰除去工事を受注した業者が、各置場を月に1回以上巡回して、順次回収。曜日等は決まってないそう。

業者が収集した降灰は仮置き場(ヤード)で除去量計測後、埋立処分されているという。

「克灰袋(こくはいぶくろ)」という

--鹿児島市には「火山灰専用のゴミ袋」があるのですか?

はい、あります。克灰袋(こくはいぶくろ)といいます。

提供:鹿児島市

--いつから火山灰を収集?

鹿児島市では、1978年度(昭和53年度)より「活動火山対策特別措置法第22条」に基づき、国の補助を受けて降灰除去事業を行っています。

提供:鹿児島市

「降灰を克服しよう」という意欲を込めて

実は、火山灰専用の「克灰袋」は以前は違う名前だったそう。なぜ、「克灰袋」という名前になったのか。

降灰に強い快適な都市を目指す、積極的に降灰を克服しようという意欲を示すためです。

1991年(平成3年)4月からこの名称にしました。

克灰袋の配布事業は、1985年度(昭和60年度)から行っており、事業開始当初は「降灰袋」と呼んでいました。

提供:鹿児島市

回収しないと「事故」の原因に

巡回して収集しなければいけないほど火山灰が降るのか聞いたところ、過去3年の除去実績を教えてくれた。

提供:鹿児島市

火山灰は市民の生活にどのような影響を及ぼしているのか。また、なぜ回収するのだろうか。

降灰は道路に堆積し、交通車両の視界を妨げ、車両のスリップ等による交通事故の原因となっています。

また、降灰のない日でも、建物に堆積した降灰が風に飛ばされて舞い上がり、日常生活に支障をきたしているためです。

提供:鹿児島市

鹿児島市民にとって「火山」とは

「火山」や「噴火」は鹿児島市民にとって、どのような存在なのか。

市民にとって桜島は、錦江湾に浮かぶ雄大で、心に安らぎを与えるシンボル的存在です。

しかし一方では、噴火による降灰により、生活に大きな影響も与えております。

「鹿児島市」提供

活火山と人々が共生する街

最後に、火山にまつわる同市ならではの取り組みを聞いた。

60年以上、噴火活動を続ける活火山「桜島」。その目の前には60万都市が広がり、活火山と人々が共生しています。

また、桜島を取り囲む「錦江湾」も大昔の火山活動によって生み出された深く豊かな海で、その海底には「若尊カルデラ」という海の活火山が存在しています。

桜島・錦江湾を含むエリアは2013年に「桜島・錦江湾ジオパーク」として、日本ジオパークに認定されたそう。

桜島・錦江湾ジオパークでは、「火山を海から眺めるカヤック体験」や砂浜を掘って温泉をつくる「足湯堀り体験」などのプログラムの他、厄介者の火山灰を逆転の発想で楽しむイベント「灰フェス!」を開催しており、鹿児島ならではの体験をすることができます。

火山と人が共生する鹿児島市。

活火山「桜島」にもおよそ5000人が住んでおり、火山と共に生きている。

提供:鹿児島市