研究室で実験を行う研究者。仏ロスコフにて(2016年11月28日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】中国のがん研究者らによって執筆された論文100本以上が独出版大手シュプリンガー(Springer)の発行する医学誌から取り下げられた問題で、中国当局が国内の研究機関や大学における不正の調査に乗り出したことが分かった。

 この問題はシュプリンガー(Springer)が4月、「査読プロセスが損なわれた」証拠を発見したとして、同社が発行していた医学誌「Tumor Biology(腫瘍生物学)」に掲載された論文107本を取り下げると発表したもの。撤回された論文は、中国の医療機関や大学の研究者が執筆し2012〜16年に同誌に掲載されていた。

 中国科学技術省は14日、論文の査読に絡む不正行為に対しては「一切容赦しない」と表明。「取り下げられた論文は一つひとつ全て」調査すると約束した。これらの論文に関与した研究者についても、研究プロジェクトや資金援助を凍結したとしている。

 科学技術省はまた、今回の騒動は「国際社会における中国科学界の評判を著しく傷つけ、中国人科学者の自尊心も損なった」が、研究における不正にはより厳しい罰則で臨む必要があることも明らかになったと述べている。

 科学論文の撤回を監視するブログ「リトラクション・ウオッチ(Retraction Watch)」がシュプリンガーの説明として伝えたところによると、問題となった論文は、査読報告書には実在する研究者名が記されていたものの、記載されていた電子メールアドレスは偽物だった。執筆者の中には、外部の編集サービスを利用して査読報告書を用意していた者もいた可能性があるという。
【翻訳編集】AFPBB News