シェアリングエコノミーの始まり 民泊の次への課題は?

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 旅行者を有料で住宅に泊める民泊を解禁する住宅宿泊事業法(民泊法)が9日に成立したことを受けて、石井啓一国土交通相は同日の記者会見で「民泊は騒音やゴミ出しで社会問題化している。一定のルールを定めて民泊の健全な普及を図る」と述べた。

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 インターネットの進展につれて、従来考えられもしなかった事業やサービスが次々に実現しているが、民泊法の成立によって営業を目的としていなかった一般住宅やマンションなどが、合法的に営業の素材として提供される時代がやって来た。既に実体経済の中では"やり得"のような先行事例が数多く伝えられていたが、やっと法律が実態に追いついた状況と言える。

 日本は少子高齢化の流れがますます加速している状況にあり、今後空き住宅の増加が予想されている反面、日本の魅力にじかに触れたいという海外からの旅行者の増加が続き、3年後の東京オリンピックの開催によるインバウンドの増加に現在のホテルのキャパシティーで対応することは不可能である。しかし、オリンピック特需という一過性の需要の高まりに合わせてホテルを増設することはいかにもリスキーである。

 こうした状況を勘案すると民泊を公認することは理にかなったことと言えるだろう。逆に、サービスの質の平準化や近隣住民との共存という問題はなかなか厄介である。

 そうした懸念を払拭するために、住宅宿泊事業法の民泊を営む人を「住宅宿泊事業者」と呼び、住宅宿泊事業者になるためには届け出が必要になる仕組みができた。「届け出」は「許可」と比べて頼りない印象を持たれるかもしれないが、監督官庁に必要事項を届け出ることによって、事業の責任者が明確になる(例え名目上であっても)ことの意味は大きい。今までのような届け出なしの営業は「モグリ」となるのだ。

 シェアリングエコノミーはスタートラインについたばかりだ。今話題になっているのはライドシェア(相乗り)だが、タクシー業界の反発は強く国交省も慎重な姿勢と伝えられる。まさに既得権益が山積みの「岩盤」である。時間や空間を共有するシェアリングエコノミーの可能性は広いが、テーマによっては岩盤崩しの大仕事になることを忘れてはいけない。