【栄養士監修】スムージーダイエットの「正しいやり方」とおすすめレシピ

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普段とれない栄養素をたっぷりとることができるスムージー。正しい飲み方をすれば、ダイエット効果を得ることができます。そこで今回は、スムージーダイエットの基本や効果、おすすめレシピ、注意点を管理栄養士の豊永彩子さんに教えていただきました。

■スムージーダイエットとは?

「スムージー」の本来の意味は、「凍らせた果物や野菜をミキサーにかけたドリンク」ですが、凍らせずにミキシングすることも最近は多いようです。野菜や果物に含まれているビタミンやミネラル、食物繊維、そして第7の栄養素とも呼ばれている「抗酸化物質」は、意識しないと摂取しづらい栄養素です。しかし、スムージーにすることで、これらを手軽にとり入れられることができます。それにより、代謝を促し、太りにくいカラダつくり、ホルモンバランスや腸内環境をととのえ、体調や肌のコンディショニングにもつながります。

■スムージーダイエットの方法って?

次に、スムージーダイエットの方法について解説します。

◇スムージーだけの食事はNG ! 「食事+α」がポイント

スムージーダイエットを成功させるポイントは、「スムージーで足りない栄養素を補う」こと。普段の食事は、バランスよくしっかりとりましょう。栄養不足だと、脂肪燃焼も期待できず、カラダを引き締める筋肉もつきません。スムージーで栄養チャージを心がけ「燃やせるカラダつくり」を目指しましょう。

◇季節の食材をローテーションで選ぶ

最近では、スーパーなどの
店頭に並ぶ野菜や果物もフレッシュで種類が豊富ですよね。年中手に入る食材も増えてきていますが、「旬の食材」を選びましょう。その季節に必要な栄養素が凝縮されています。

◇たんぱく質&良質な油もセットでチャージ

ダイエットは、「脂肪燃焼」とカラダを引き締める「筋肉の維持」が重要です。また、女性であれば、ホルモンバランスや肌、髪のコンディショニングも欠かせません。そのために、「たんぱく質」と「良質な油」をセットで補いましょう。豆乳や牛乳、ヨーグルトなどからたんぱく質を、「ナッツ」や「しそ油(亜麻仁油やエゴマ油などでも◎)」などから良質な油をプラスしましょう。

■スムージーダイエットのおすすめ食材って?

次に、スムージーダイエットにおすすめの食材をご紹介します。

◇緑黄色野菜

年中手に入りやすく、栄養価が高い緑黄色野菜は、クセも少ないため、飲みやすいです。緑黄色野菜に含まれる脂溶性ビタミンを良質な油とセットでとり入れ、吸収率をUPさせましょう。

<おすすめの緑黄色野菜>
・小松菜
・トマト
・パプリカ
・サラダほうれん草
・にんじん

◇バナナ

バナナは、甘みが強く、野菜のクセが気になるときの強い味方。また、トリプトファン(メンタルヘルスや睡眠と深い関係があるハッピーホルモン「セロトニン」の材料)や腸内環境をととのえる食物繊維も豊富です。

◇柑橘類

程よい酸味と爽やかさが特徴の柑橘類は、ストレスケアの味方「ビタミンC」が豊富です。ミキシングを短めにすると食感を楽しむことができます。グレープフルーツやオレンジは、皮をむいて房ごと使いましょう。レモンは輪切りにスライスして、冷凍庫にストックしておいても便利です。

<おすすめの柑橘類>

・グレープフルーツ
・オレンジ(※みかんの季節には、国産みかんがおすすめ)
・レモン

◇冷凍フルーツ

忙しくてフレッシュな食材を確保するのが難しい人は、ブルーベリーやミックスベリー、マンゴーなどの冷凍フルーツをストックしておきましょう。スムージーのトッピングとして活用してもOK!

◇ナッツ

自然食材であり、栄養価が高いナッツは、「天然のサプリメント」と言えるほどのエリートな食材。良質な油「オメガ3脂肪酸」はくるみから、豊富な栄養素と含有量を期待するならアーモンドをチョイスしましょう。

◇良質な油

無駄な脂肪を落とすために、良質な油をとりましょう。これは、「メイク落としにオイルクレンジング」を使用する原理と同じ。良質な脂をとることで、脂溶性ビタミンの吸収率がアップしたり、ホルモンバランスがととのえられるほか、肌の潤いも期待できます。

<おすすめの油>

・しそ油
・亜麻仁油
・えごま油

◇乳製品

乳製品や豆乳は、スムージーとの組み合わせもバッチリ! たんぱく質補給を叶えるおすすめ食材です。ローテーションで必ずとり入れましょう。

<おすすめの乳製品>

・ヨーグルト
・豆乳
・牛乳

■スムージーダイエットの注意点って?

スムージーダイエットの注意点について見てみましょう。

◇食事の置き換えはNG

「スムージーダイエット」と聞くと、食事をスムージーに「置き換える」とイメージする人も多いと思いますが、これはおすすめできません。「食事を減らす」、「過度に食事を控える」習慣は、「太りやすいカラダづくり」の第一歩です。食事を減らし、1日のカロリーや栄養素が不足すると、ホルモンの分泌やたんぱく質の吸収を犠牲にする習慣がカラダにプログラミングされてしまいます。この“負のメカニズム”からカラダを守り、「太らないカラダづくり」をはじめましょう。

◇必ず噛む

スムージーは、栄養のチャージを手軽にできることが魅力的な一方で、「噛まないで飲めること」がウィークポイントになります。きちんと「噛む」ことで、消化酵素を分泌したり、満腹中枢の刺激にスイッチが入るので、食材を少し粗めにミキシングしたり、ナッツやフルーツをトッピングしましょう。

◇食材はローテーションする

通常の食事とは異なり、多くの野菜や果物を補給できることもスムージーの魅力。しかし、ひとつ注意しなければならないポイントが「食物アレルギー」です。幼少期のアレルギーは有名ですが、成人してからの「食物アレルギー」も少なくありません。発症するかどうかは、個人差やその日のコンディションも関係してきますが、同じ食材を継続的に食べ続けることで、アレルギー発症の可能性が高くなります。そのため、食材やレシピをローテーションするなど、同じ食材を毎日使用することは控えましょう。アレルギー発症のリスクを回避できる上に、いろいろな栄養素をとる習慣が身につきます。

■初心者でもOK! スムージーのおすすめレシピ

最後に、初心者でも楽しめるおすすめレシピをご紹介します!

◇忙しい人におすすめ! 「energy」

<材料>

・バナナ 1本
・豆乳 180cc
・ナッツ 20g程度
・冷凍ミックスベリー 大さじ1
・氷 1〜2個
・トッピング(ドライフルーツやナッツ少々)

<つくり方>

(1)材料をすべてミキサーに入れて、ミキシングする。
※目安の量のため、濃度(トロトロかサラサラか)味の好みで調節
(2)トッピングはお好みでプラスしましょう。

<ポイント>

ストックしやすい材料を使用したスムージーなので、忙しい人にピッタリ。アレンジもしやすいので、野菜をプラスする場合は、小松菜などの青葉野菜がおすすめです。少しお疲れ気味&甘みがほしい場合は、ピュアココアパウダーや抹茶パウダー(砂糖が添加されていないもの)をプラスするといいでしょう。ナッツやドライフルーツをトッピングすると「噛む」必要があるため、満足度も得られます。

◇肌トラブルが気になる人におすすめ! 「Vitamin」

<材料>

・オレンジ 1/2 個
・キウイ 1/2 個
・トマト 1/2 個
・豆乳 180cc
・氷 お好みで

<つくり方>

(1)フルーツは皮をむき、そのほかの材料と合わせてミキシングする。

<ポイント>

体内で進行する老化現象である「酸化=サビ」が気になる人や、肌トラブルが気になる人におすすめ。トマトは、体内でビタミンAに変化するβカロテンが豊富なため、活性酸素による酸化つく用を抑制する効果があります。

◇Vege

<材料>

・小松菜 1/2
・人参 5cm程度
・グレープフルーツ 1/2 個
・ヨーグルト 大さじ2
・しそ油 小さじ1(亜麻仁油やエゴマ油でも可能)
・ 氷 2個

<つくり方>

(1)野菜をミキサーのサイズに合わせてざく切りにする。
(2)グレープフルーツは皮をむき、硬い白い皮のみとり除き、ほかの材料と合わせてミキシング。

<ポイント>

野菜不足が気になるときにおすすめのレシピ。アクが少ない小松菜やにんじんは、スムージーに使用しやすく、栄養価が高い野菜です。これらの緑黄色野菜は、「脂溶性ビタミン」が豊富であり、文字どおり、油に溶けやすい性質を持つため、良質な油とセットでとることがポイント。しそ油はクセが少なく、体内で合成できない「オメガ3脂肪酸」が豊富なため、毎日フレッシュな状態で(加熱をしない)とりたい良質な油です。

■まとめ

「スムージーダイエット=食事の置き換え」と考えていた人もいるのではないでしょうか。しかし、豊永さんによると、ホルモンバランスを崩したり、タンパク質の不足により、逆に「太りやすいカラダ」になってしまうようです。あくまでもスムージーは、「食事+α」ということを意識した上で、豊永さんおすすめのレシピを試してみてくださいね。

(監修:豊永彩子)

※画像はイメージです。