『Shout it Out 「青年の主張」リリースツアー』のファイナル公演をおこなったShout it Out (撮影=木場 ヨシヒト)

 大阪・堺市出身のロックバンドShout it Out(シャウト・イット・アウト)が5月7日に、東京・渋谷TSUTAYA O-WESTでツアー『Shout it Out 「青年の主張」リリースツアー』のファイナル公演をおこなった。3月にリリースした1stアルバム『青年の主張』のリリースを記念しおこなうというもの。そのほとんどが疾走するロックナンバーのステージで、彼らの持つ“激情”そのものをぶつけたようなステージで観客を魅了した。

 2016年7月にメジャーデビューを果たした彼らは、同年9月にベースとギターがバンドを脱退、現在は山内彰馬(Vo、Gt)と細川千弘(Dr)の2人に、サポートメンバーを加えた体制で活動を続けている。そんな中でしっかりと1stアルバムをリリースしたことは、彼らの歩みが止まることなく、これからさらに躍進していこうとする意思の表れと見える。その明確な意思を示す意味でも、このツアー、そしてこの日の公演は重要な意味を持つものだろう。

最初から熱かった会場

ライブのもよう(撮影=木場 ヨシヒト)

 『Shout it Out 「青年の主張」リリースツアー 』は好評につき5月後半より大分、岡山、栃木、静岡、そして大阪と追加公演が予定されている。そんな盛況ぶりを示すかのように、この日の会場もSold Out、特別に設けられた O-WESTの2階席までいっぱいになった。そしてその多くが首に「Shout it Out」と書かれたタオルを巻いて、ステージのスタートをワクワクした表情で待っていた。

 この日は、彼らの後輩である宮城のロックバンドSILVER TREEがオープニングアクトを務め、Shout it Outの登場前から猛烈な熱気を会場に漂わせていた。それから程なく、彼らはステージに現れた。その登場は、2016年末に東京・新宿でおこなったライブを遥にしのぐ程、盛大に迎えられた。暗転した会場で、彼らは割れんばかりの拍手に迎えられた。暗闇の中でドラムの前に集まり、ステージスタートへの覚悟を決めるように手を合わせる。そして彼らは一同で合わせて「っしゃあ!」と気合い一発の声を上げた。

 そしていよいよ、彼らの「Shout」が上がった。バンドが発した第一声、ギター、ベース、ドラムの音が一つになって、彼らの叫び声として、この日のステージでその存在を示した。その瞬間、観衆もその声に同調し、皆一斉に拳を上げた。この日のオープニングナンバーは「青年の主張」。疾走する8ビートが聴くものの気持ちをどんどん高ぶらせ、すでに熱気の充満していた会場の温度をさらに上げていく。

「激情」のイメージ

山内彰馬(Vo、Gt)(撮影=木場 ヨシヒト)

 この日は過去の彼らのナンバーを織り交ぜながらも、『青年の主張』のナンバーを中心に構成されていた。速く、あるいは程よい速さとテンポの違いはあれど、この日披露されたナンバーはそのほとんどがストレートな縦ノリの8ビート。そのストレートなサウンドは、かえって潔さすら感じられる。途中披露された16ビートのバラードやシャッフルビートなども、アクセントとしてステージを彩るが、ロックサウンドこそが彼らの信条、とばかりに疾走する8ビートのナンバーが、立て続けに披露される。

 その真っ直ぐなサウンドの中、山内が叫ぶ。彼の打ち出す想いがあるからこそ、シンプルなサウンドが生きてくる。例えるなら、真っ白なキャンバスの上にShout it Outの歌の詞、そして彼ら自身が見せる激情が色となって様々なイメージを描き出す。リズムに陶酔するように、また山内と同じく自らの想いをぶつけるようにドラムを叩き続けていた細川の表情には、山内と同じような激情が見える。

細川千弘(Dr)(撮影=木場 ヨシヒト)

 最初から最後まで高揚した表情でマイクに向かって叫び続け、そしてギターを掻き鳴らしていた山内。気持ちが高ぶったその瞬間には、ステージ上でぶっ倒れ、ギターを放り投げてしまう始末。彼のその激情あふれる表情に呼応するように、観衆も腕を上げ、時に手拍子を入れる。彼らのステージを心から喜び、嬉しげな表情をするものもいれば、山内らの情熱が憑依したかのように、真剣な表情でずっと歌を口ずさんでいる者もいる。山内は、MCで投げかけるどんな言葉よりも、歌の中の叫びでその想いを放出し続けていた。

 一時間半は過ぎようというステージが、まさにあっという間、ほんの一瞬のことに思えるほどのライブだった。ステージはラストナンバー「青春のすべて」で終わりを迎えた。メジャーデビュー曲であるこの曲は、それまで彼らが活動の原動力として「大人に対しての反骨精神」を掲げていたことに対して、大きくその視点を変えた起点になったという。さらにアンコールに応え、この日は全18曲を披露。バンド自身も、そして観衆も最初から最後まで全力投球だったこの日のステージは、そのリアルな感情をさらけ出したものだった。

(取材=桂 伸也)

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