オリックスのステファン・ロメロ【写真:荒川祐史】

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ロメロ復帰後は再び上昇気流、ゲーム差1の交流戦4位につけるオリックス

 6月14日現在、「日本生命セ・パ交流戦」で首位と1ゲーム差の4位につけるオリックス。その打線をけん引しているのが、今季より4番を務める新外国人・ロメロである。14日も広島にサヨナラ負けを喫したものの、2本塁打を放った。

 開幕2試合目となる4月1日の楽天戦から6試合連続安打を記録し、11打点を荒稼ぎするなど、小谷野やT-岡田らとともにチームの開幕ダッシュに大きく貢献。しかし、4月22日の千葉ロッテ戦において、右翼の守備時にフェンスへ激突して負傷してしまう。そのまま登録を抹消されると、好調だったチームの成績も急降下。一時は負け越しが9つを数え、2位につけていた順位も一気に5位まで落ち込んだ。

 そして迎えた交流戦初日、ついに故障の癒えたロメロが1軍に合流する。開幕カードとなった東京ヤクルトとの3連戦では4番に座り、第3戦で同点打を放つなどして存在感を示すと、不振に喘いでいたチームは幸先よく同一カード3連勝を決め、悪い流れを断ち切ることに成功した。

 また、6月2日の巨人戦では、3点を追う9回2死走者なしの場面。敗色濃厚の状況で代打として出場すると、マシソンの剛球を捉え、反撃ののろしとなる本塁打を叩き込む。この一発が流れを変え、続く西野、安達、小谷野の3連打で一気に試合は振り出しに。最終的に延長11回の死闘を制し、神がかり的な勝利を飾った。さらに、チームはそこから2連勝。交流戦無傷の6連勝を決め、一気に上昇気流へ乗っていった。

打撃成績以上に大きいロメロの存在

 その後もロメロは、随所で4番らしい働きを見せる。交流戦初黒星を喫した翌日、6月7日の阪神戦では、同点で迎えた9回裏、1死満塁の場面で遊撃手のグラブをはじくサヨナラ打を放ち、チームの連敗を阻止。6月9日の中日戦では10回無死1塁から豪快なサヨナラ2ランで試合に決着をつけるなど、交流戦首位を争うチームにあってしっかりと役割を果たしている。

 ロメロが出場した28試合におけるチームの成績は、19勝10敗。一方、それ以外の31試合では9勝22敗となっている。「偶然」で片付けるには、あまりにも対照的な数字ではないだろうか。打率.257、9本塁打という成績以上に、チームにおけるロメロの存在は大きいということが窺える。

 交流戦最後の4試合、オリックスはセ・リーグ首位の広島戦のあと、同3位のDeNAと戦う。2010年以来となる交流戦優勝を果たすため、そしてチームをさらなる高みへと導くため。勝負強さを見せる主砲のバットに、より一層の期待がかかる。

【了】

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

「パ・リーグ インサイト」編集部●文