親にとって子どもの進路は最大の関心事です。ことに、中学受験をするかどうかは子どもの意志というより親が決めることがほとんどで、その決定が我が子の人生を左右すると思えば簡単には決められない問題でもあります。

6月11日、はてな匿名ダイアリーに投稿された「公立中学推しの地方出身父親の皆様へ」という投稿に驚いてしまいました。投稿者は子どもの中学受験を考える父親ですが、地方の公立中学校の生徒は「玉石混交」、対して東京は私立中学なら「玉のみ」、公立高校は「石ばかり」と持論を展開しています。(文:篠原みつき)

東京では「多くの場合、石ばかりが公立中学や高校に残る」

投稿者がこうした考えに至るには、東京出身で子どもを中学受験させるのが当然と考える妻からの説得が大きかったようです。自身は地方出身で公立校しか経験しておらず、しかしそれなりに優秀で良い学歴を持っているため、元々は「私立中学校に入れる意味が分からない」という考えでした。

しかし、東京在住とみられる投稿者は、結論として中学受験させることにしたようです。理由は、「入学者の選別を行うプロセスが存在するか、しないか」で、生徒の質に違いが出てくると気づいたから。

地方の場合、優劣を問わず全員が学区内の中学校に入学するため、結果として公立中学・高校は「玉石混交」となる。しかし私立という選択肢のある東京の場合、"選別プロセスが複数回挟まれる"ため、

「多くの場合、石ばかりが公立中学や高校に残ることとなる」

というのです。同じような立場の父親たちに向けて、こう断言します。

「(中略)東京にはあなた方が通った、玉石混交の公立学校は存在せず、否が応でも玉か石かを選ぶ必要があるのです」

つまり、東京の公立中学の生徒は「石のみ」で、あんまり優秀とは言えませんよ、そんな中に大事な我が子を紛れ込ませたいですか?という意味のことを書いているわけです。

冷ややかなコメントの中で、「実感として違和感はない」の声も

この投稿にはブックマークが600以上つき、関心の高さが伺えました。他所のお子さんを「石」呼ばわりする内容に、反感を持った人は少なくありません。コメントには冷ややかな指摘が相次ぎました。

「自分の子が玉だといつから錯覚していた?」
「世田谷区立中学校出身だけど普通に玉石混交でした。頭が良くて学歴があると、想像で物を書くようになるんですか?」

一方で、理解を示す人もいます。「東京出身だが、ある程度の教育水準を求める家庭において中学受験はほとんど所与だった」と、受験は当然の流れだったと振り返り、

「結果として公立中学はその残余になるというのも、良いか悪いかはともかく実感として違和感はない」

とのこと。「残余」という言葉がこれまた強烈ですが…。確かに、親に経済力があり教育資金も潤沢な家庭の子は幼稚園受験などでふるいにかけられ、優秀な「玉」として残る可能性は高いでしょう。他にも同意する声はありました。

ちなみに、都道府県別の「国立・私立中学生徒数(中学受験率)ランキング」によると、やはり1位は東京で、100人あたり26.44人受験しています。2位は高知県19.09人、全国平均は8.01人なので、東京の多さはダントツといえます。

「中学校の数」も808校と一番多いのが東京で、内訳は公立614、国立6、私立は188校にものぼります。近隣県で2番目に多い神奈川が475校(公立410、国立2、私立63)なので、違いは一目瞭然です。大阪でも528校(公立461、国立3、私立64)にとどまります。東京は公立が600校以上ある中で、公立だから「石ばかり」と一括りにするのは違和感もあります。

また現在、公立でも学区外の学校を選べる「学校選択制」が導入されており、一部の学校に人気が集中する形にもなっています。個人的にはこんな声に共感です。

「受験情報は鮮度が命。 中学受験や学校の状況なんて3年で、あるいは6年で激変する。自分が子供のころの状況で今の受験を判断することほど愚かなことはない」