「笑い」は健康と人間関係に有効 科学が示す6つの根拠

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私たちは直観的に、笑うことはストレス解消のための最善の方法の一つだと知っている。そして、科学もそれを裏付けている。笑いは心身に多くのプラスの効果をもたらしてくれる「薬効」を持ち、しかもその効果は人から人へと広がっていく「伝染性」もあることが分かっているのだ。

これまでの研究から、いつでも笑っていたいと思わせるような6つの効果が確認されている。

1. エンドルフィンによる「多幸感」

笑いに関する科学的研究はこれまでにいくつも行われているが、5月に公開された研究結果でも、他の人たちと一緒に笑うことによって「多幸感をもたらす」脳内物質のエンドルフィンが放出され、脳内のオピオイド受容体の数が多い人ほど明らかな効果が見られることが示された。

ヘロインなどの中毒性の高いオピオイド系の薬物は脳のオピオイド受容体と結合する。このことから、笑いは麻薬と類似した(だが薬物の有害性は持たない)多幸感を誘発すると考えられている。

2. 社会的な絆を築く「伝染性」

笑いに伝染性がある理由を説明するのが、上記のエンドルフィンの効果だ。集まった人たちに同時にエンドルフィンの放出が起きることで、一体感や安心感が高まる。一人ひとりの脳が感情の伝達装置の役割を果たし、笑いを介して他の人の脳にも多幸感がもたらされるのだ。誰かが笑い始めると、理由も分からず他の人が笑い出すのはそのためだ。

3. 脳が認識する「笑いの種類」

全ての笑いが同じではない。笑いの「解読」は意外と難しい。だが、ある研究によれば、私たちは楽しい笑いと人をばかにした笑い、面白がる笑いのそれぞれを別の種類の笑いと認識している。それぞれの笑いを聞いたときに活性化する脳の領域間の接続性が異なるのだ。そして、脳は予期されるコミュニケーションを解読しようとすることから、笑い声が聞こえたときに活性化された脳領域の接続性がさらに活性化される。

4. 人間関係の構築を促進

ある研究によれば、女性は男性よりも126%多く笑っている。男性の方が、女性よりも人を笑わせているのだ。このことは、人間関係の構築や維持にも反映されている。女性には結婚や恋愛の対象となる男性に望むものの一つに 「ユーモアのセンス」を挙げる人が多い。一方、男性は(例えば自分の冗談に)よく笑う女性を好む傾向がある。一緒に笑うことが多いカップルの方がより良い関係を維持できるとの研究結果があるが、それにもうなずける。笑いは誰にとっても、大切なものだ。

5. 抗うつ剤と似た効果

笑うことで、脳内の神経伝達物質セロトニンの放出が活性化される。最も一般的な抗うつ剤であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が影響を及ぼすのが、このセロトニンだ。笑いの効果がどれだけ継続するかは明らかになっていないが、少なくとも短時間においては、脳活動を大幅に活性化することが分かっている。

6. 心臓を守る

研究によれば、笑いには血管や心筋を心疾患のダメージから守ってくれる抗炎症作用がある。抗炎症作用がどのようにもたらされるのか完全には解明されていないが、炎症との直接的な関連が確認されているストレス反応が軽減することと関わりがあると見られている。心疾患予防プログラムには全て、定期的に心から笑うことを取り入れるべきかもしれない。