ハリルホジッチ監督のチョイスした国内組は、コンディション的にはおおむね問題なかった。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 イラク戦は1-1にドローに終わった。
 
 試合は先制点こそ奪ったものの75分頃から全体的に動きが鈍くなり、なんとかギリギリ凌いだという内容だった。失点は川島永嗣と吉田麻也の連係と判断ミスだが、負けなかったことはプラス。アウェーでの勝点1は、次の試合で生きる。
 
 個人的に試合内容よりも気になったのが、シリア戦からイラク戦にかけて怪我人やコンディション的に厳しい選手が続出したことだ。
 
 シリア戦にスタメン出場した山口蛍は開始早々に相手との接触で右脛を痛め、その後は別メニューとなり、イラク戦は出場機会がなかった。
 
 今野泰幸はまだ故障明けで90分の体力もゲーム感もない状態でシリア戦に出場したが、まだ身体もプレーもフィットしていないのは明確だった。そのためイラク戦はスタメンを外れた。
 
 彼らはアクシデントや故障明けという問題があったが、総じて国内組はコンディション的には問題がなかった。実際、昌子源はミスこそあったが溌剌とプレーしていたし、井手口陽介もシリア戦で良い動きを見せ、イラク戦のスタメンを勝ち取った。
 
 では、海外組はどうだろうか。

 久保裕也はシリア戦、明らかにコンディション不良で身体が重く、途中交代した。イラク戦も身体のキレが戻っておらず、70分ぐらいから足がつって動けず、久保らしいプレーがあまり見られなかった。
 
 酒井宏樹は、イラク戦の試合中に右膝痛を悪化させ、76分に酒井高徳と交代した。
 
 原口元気はシリア戦では明らかに身体が重そうで、少しイライラしていた。イラク戦では気温35度のなか、走りまわったが後半疲れが見え、倉田秋と交代した。
 
 香川真司は、シリア戦で相手との接触プレーで右肩亜脱臼となり、イラク戦を前に戦線離脱を余儀なくされた。
 
 岡崎慎司はシリア戦で後半出場したが、やはり足が重そうで、裏に抜けるスピードや走りにいつもの迫力がなかった。
 
 結果、シリア戦もイラク戦も1-1のドローに終わった。
 
 なぜ、怪我人が続出し、ともに後半、パフォーマンスが低下したのか。
 
 イラク戦は暑さによる疲労などもその要因のひとつとして考えられるが、事前に行われた海外組合宿の影響が大きいと思われる。
 以下の選手は、5月28日から随時集合し、6月4日の国内組合流まで2部練で厳しいフィジカルトレーニングが課せられた。
川島永嗣
吉田麻也
酒井高徳
酒井宏樹
加藤恒平
岡崎慎司
乾 貴士
久保裕也
浅野拓磨
大迫勇也(29日より)
原口元気(31日より)
本田圭佑(6月1日より
香川真司(6月2日より)
長友佑都(6月2日より)
 
 ハリルの海外組合宿は、インターバル走など走り込みを含むハードなトレーニングで追い込いこむので、選手からは「地獄」と恐れられている。
 
 身体を少し再生させるリジェネレーションと言われるプログラムらしいが、選手は各国リーグの長いシーズンを終えて帰国し、数日しか経っていない。合宿をするにしても長いシーズンの疲れを取るのを優先させるべきだと思うが、あえて負荷がかかるトレーニングをして選手を追い込んでいた。
 
 そこで思い出されるのが、ザッケローニ監督時代のブラジルワールドカップ直前の合宿だ。
 
 鹿児島の指宿で合宿をスタートしたが暑いなか2部練習でフィジカル的に相当ハードな練習をこなしていた。選手たちは練習後、口を開くのも面倒になるほど疲弊し、「大丈夫か」とこちらが心配になるほどだった。
 
 だが、このトレーニングが裏目に出た。ボディブローのように体内に疲労が蓄積され、本大会前に抜けなかったのだ。