賃金が下落するのは成長産業がパートに頼らざるを得ないからだ

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 前回のコラムでは、正規労働者とパートタイムなどの非正規労働者の間に、きわめて大きな賃金格差があることを見た。賃金と、正規・非正規の割合、産業の生産性の違いはどのような関係にあるのだろうか。

 産業別に見ると、生産性が低い産業ほどパート労働者の比率が高い。だが、「パート労働者の比率が高いために、その産業の給与が低くなる」のではなく、「産業の生産性が低いために、パートに頼らざるをえない」のだ。この十数年を見ると、低生産性産業の成長率のほうが高かったために、経済全体としてパート労働者の比率が上昇し、賃金が下落したのだ。

パート労働者が多い産業は
給与が低い

 産業別のパートタイム労働者比率と現金給与総額の関係は、図表1に示すとおりである。

 これらの間には、密接な相関関係があることが、直ちに見て取れる。

 すなわち、パートタイム労働者比率が高い産業ほど、現金給与総額が低くなっているのだ。

 パートタイム労働者比率は、平均では30.06%だが、飲食サービス(76.21%)、生活関連サービス業(47.22%)、卸売業・小売業(44.35%)などでは、平均値より高い。そして、現金給与総額が平均値より低い。

 それに対して、製造業(13.40%)などでは、パートタイム労働者比率が平均値より低く、現金給与総額が平均値より高い。

 もっとも、以上の関係は、非正規労働者の給与水準が一般労働者のそれよりも低いことから、当然の結果である。

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