By Rick Goldwaser

人間よりもはるかに長い寿命を持つ生物が地球上には多数存在しますが、「地球上で最も古くから生きているもの」とは一体なんなのかを、BBCがまとめています。

The oldest living thing on Earth - BBC News

http://www.bbc.com/news/science-environment-40224991



イギリスのキューガーデンにある樹齢300年の栗の木の下で、館長であるトニー・カークハムさんは、樹木は動物よりも長生きすることができると語っています。このことを証明するにはいくつかの検出研究を行う必要があり、「まずは過去の記録を調べて一定の期間で樹木が生長しているか確認する必要があります。次に、古い絵画や芸術作品を見ることで、その樹木が大昔にそこに存在したかを確かめることもできます。また、古い陸上調査図には、特に重要な木々が古代の木としてはっきり描かれていることがあります」とのこと。

木の年齢を測定するための方法としては、年輪を数える方法が有名です。成長につれて年輪が多くなるというもので、これは樹状突起年代学と呼ばれるプロセスで、年間の成長が著し一部の樹木にのみ適用できる方法だそうです。しかし、この方法の問題は、年輪を確認するために木の幹を切断しなければいけないという点にあります。なお、樹木栽培の専門家は木の幹を切断せずに年輪を確かめるために、穿孔機を使って木に穴を開けるそうです。



By Taras Kalapun

アメリカの研究者チームはその樹齢を記した木々のリストを持っています。彼らによると、スリランカでは樹齢2222歳のイチジクの木が見つかっており、チリには樹齢3627歳のヒノキの木が存在するそうです。樹齢約3600歳ということは、イギリスのストーンヘンジと同じくらい昔に誕生した生命であるといえます。

カリフォルニアのホワイト・マウンテンにあるメトセラという名前の盆地には、樹齢4850年のブリストルコーン・パイン(イガゴヨウマツ)があります。また、同じ場所には樹齢5067年のブリストルコーン・パインがあるとも言われており、この木は世界最古の木なのではと推測されています。



By Clinton Steeds

それではこの樹齢約5000年のブリストルコーン・パインが世界最古の生命なのかと言えば、それは「単一の木」をどのように定義するかによります。

アメリカのユタ州にああるフィッシュレイク国立公園には、ほとんどの人が「木」と認識するには困難な白樺に似たポプラ系の木「アスペン・ツリー」が存在します。これは「パンド(Pando)」と呼ばれており、語源はラテン語の「広がる」という意味。パンドはとても大きく、誰もが森と見間違えてしまう程のサイズ。実際にどのくらい大きいのかというと、バチカン市国と同じくらいの大きさだそうです。それにも関わらず、パンドはすべてがひとつの種から発芽しており、推定でなんと5万本もの木の幹が単一の巨大な根茎により支えられているとのこと。



ユタ州立大学の人口遺伝学者であるカレン・モック教授は、「いろいろな樹齢推定データがありましたが、オリジナルの木はもはやほとんど存在していません」と語っています。なお、パンドは根茎から多くのクローンツリーが成長しているので、パンド自体の樹齢を推定するのはとても困難。科学者はパンドの大きさから樹齢を推定しようとしており、不正確ながら、「数千年から8万年ほど」としています。モック教授は「何回のDNA変異が蓄積されているか」から樹齢を推定できるかもしれないとも述べています。

もしもパンドが8万年生きているとすれば、死を迎える時は来るのでしょうか。リバプール大学の専門家ジョアオ・パオロ・デ・マガリャエス氏によると、「全ての生物は死をむかえることが決定づけられているので、不滅種は存在しません」とのこと。

現在確認されている「世界最古の生きた動物」は南極で発見された海綿動物と言われており、その推定年齢は1万5000歳。ただし、「確かなことはわかりません。誰も1万5000年前を確認することはできないのですから」とマガリャエス氏が語る通り、推定値には大きな誤差がある可能性があります。

現在地球上に存在する正確に年齢を測定された生き物の中で最も古くから生きているのは、ホワイト・マウンテンにあるブリストルコーン・パインです。パンドや南極の海綿動物はこれよりも遙か昔から地球上に存在していた可能性もあるものの、現在の時点ではその正確な年齢は測定できていません。