トロントにあるレストランで給仕が客の注文を伺おうとしたところ、そこにはターミネーターでアーノルド・シュワルツェネッガーが演じたT-800のような赤く光る機械の目をした男性がいたそうです。この男性は映画製作者のロブ・スペンスさんで、年齢は44歳。

This Filmmaker Installed a Video Camera Into His Right Eye Socket - Motherboard

https://motherboard.vice.com/en_us/article/rob-spence-eyeborg-video-camera-eye-socket-toronto-filmmaker

オンタリオ州コーブルクに住むスペンスさんは、自分自身のことを「アイボーグ」と呼んでいます。幼少期に右目をショットガンで撃って盲目になってしまったというスペンスさんは、ある時、右目に小型のカメラを埋め込んで自身の目線で見えるものを撮影するというアイデアを思いつきます。

右目に小型のカメラを埋め込んだスペンスさん。カメラで撮影している際は目が赤く光るそうです。



もちろん常にカメラを右目部分に装着しているわけではなく、小型なため撮影は最大30分程度しか行えないそうです。スペンスさんはトロントで開催されたロボット関連のカンファレンスFutureWorldで講演を開いており、ステージ上で右目からカメラを取り外し、しばらくカメラで映像を撮影した後に撮影したものを上映しました。

スペンスさんの右目に埋め込まれたカメラはデジタル信号ではなくアナログ信号を使用しており、録画した映像はモニターやテレビに転送可能。



コインの上にカメラを置くとこんな感じで、かなり小型であることがわかります。



ただし、いつもカメラを起動しまくっているというわけではなく、普段は以下のように眼帯でカメラを隠すこともあるそうです。



幼少期に右目が盲目になってしまったあと、スペンスさんは盲目の目に眼帯をかけて生活していたそうですが、ある時になって目が腫れ始めたそうです。その時のことについてスペンスさんは、「私は目を取り替えなければいけないと言われました。その時から、私は研究用に目にカメラを埋込み始めたんです」と語っています。

スペンスさんは右目に埋め込むカメラを作るため、いくつかのカメラメーカーとエンジニアと協力し、世界初の目に埋め込めるカメラの開発に取り組んだそうです。目に埋め込むカメラの1号機が完成したのは2008年のことで、これはマイクロトランスミッターを備えたものであったため、視神経に接続されることはありませんでした。つまり、スペンスさんは右目のカメラで何を捉えているのか自分で知覚することはできないわけです。なお、カメラは電気スイッチでオンオフ可能とのこと。



スペンスさんは2011年にはゲーム「デウスエクス」の発売に際して、スクウェア・エニックスから実写サイボーグのドキュメンタリー撮影の依頼を受けたこともあるそうです。

スペンスさんが自身のアイカメラで撮影したというドキュメンタリームービーは以下から見ることができます。

Deus Ex: The Eyeborg Documentary - YouTube