ドイツの高級車メーカー、アウディのシュタートラーCEO は7日、スイス・ジュネーブで開催された国連会議「第一回AI(人工知能)グローバルサミット」で講演を行った。3日間にわたって開催された今回のサミットでは、世界を主導する専門家が初めて集まり、地球規模の課題解決のための人工知能の可能性について議論された。

 アウディはフォルクスワーゲングループにおいて、人工知能や自動運転に関する技術の開発を主導している。同社はこの2年間で、科学とビジネスの分野の人工知能の専門家だけでなく、学際的なネットワークを構築。自動車および労働界における人工知能の社会的影響に焦点を当ててきた。

 開会を告げる基調スピーチのなかで、シュタートラー氏は「自動運転は人々の暮らしを大幅に向上させる機会を提供する」と述べた。その一方で、過度な期待は禁物であるとしている。「事故が避けられない状況において、人々は自動運転車が判断を下すことを期待してしまいます。しかし、ジレンマを解決することができないのは、人も機械も同じことなのです」それゆえ、法的問題に加えて、この新しいテクノロジーの利用に関する倫理的な問題も検討する必要がある、と付け加えた。

 人工知能は、クルマが周囲の状況を認識して適切な運転判断を下していく上で、大きな助けとなる。しかし、事故が起きたとき、誰が責任を取ることになるのか。 また、事故が避けがたい状況において、自動運転のクルマはどのように対応するべきなのか、という問題に対して、シュタートラー氏は「我々は一般の人々の懸念を真剣に受け止めながら、こうした問題に関する様々な課題に取り組んでいます」と語った。

(編集・岳進)