北朝鮮に1年以上抑留されていた米国人学生が釈放された。

釈放されたのはバージニア州立大学のオットー・ワームビア氏。北朝鮮旅行中だった昨年1月、平壌市内の羊角島(ヤンガクト)国際ホテルで、政治スローガンの書かれたポスターを盗もうとした容疑で逮捕され、裁判で労働教化刑15年を言い渡されていた。

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米ワシントンポストによると、ワームビア氏は昨年3月の裁判の直後に昏睡状態に陥り、今に至るまで意識のない状態が続いている。家族が先週になって伝えられたところでは、同氏はボツリヌス中毒にかかり、睡眠剤を服用した後で昏睡状態に陥ったという。

ボツリヌス中毒は、食中毒を引き起こすボツリヌス菌が作り出す毒素が原因となるものだが、極めてまれな病気だ。

米AP通信によると、六カ国協議の米国首席代表であるジョセフ・ユン国務省北朝鮮政策担当特別代表は同氏の処遇を巡り、ノルウェーのオスロと米ニューヨークで北朝鮮側と協議。今月12日に2人の医療関係者と共に平壌を訪れ、人道的観点からワームビア氏の釈放を要求し、翌日に釈放された。

今回の釈放は、北朝鮮が米国に友好的なメッセージを伝えようとしたものと取れる一方で、死亡した場合に問題が大きくなるのを恐れた「厄介払い」である可能性も指摘されている。