宇宙国家「アスガルディア」が2017年後半に軌道へ。憲法と最大150万の国民(データ)載せ、宇宙から地球を守る


「初の宇宙国家」を自称し、地球全土から移民希望者を絶賛募集中の団体「アスガルディア」が、2016年後半に最初の"領土"とでもいうべき極小の人工衛星Asgardia-1を打ち上げると宣言しました。

アスガルディアは、ロシアの軍事企業アルマズ・アンテイの元CEOで、UNESCO宇宙科学委員会の議長も務めるロシア人科学者Igor Ashurbeyliを指導者とする組織。Ashurbeyli氏がオーストリア・ウィーンに設立した航空宇宙国際研究センター(AIRC)にて、2013年に建国計画を発表しました。

2016年10月からは地球からの移民希望者を募集しており、その希望者数は一時期40万人を超えるほどにまで膨れたものの、その後はどういうわけか10万人前後にまで減少、記事執筆時点では20万飛んで61人という数字がアスガルディアのウェブサイト上から確認できます。

初のアスガルディア領土ということになるのかもしれない人工衛星Asgardia-1には、最大で150万人分のデジタル国民台帳を搭載します。さらにアスガルディア憲法と国旗のデータも同様に保管されます。

言うまでもなく、この衛星はあくまで仮想的な宇宙国家と国民のデータを宇宙に配置するのが目的。軌道上のサーバーとそのデータを独立国家だと宣言することで、そこに「宇宙国家アスガルディア」が成立すると思考する、哲学の実験のような話です。

Ashurbeyli氏は、「まず手始めにAsgardia-1という仮想的な形式で宇宙へ国民を連れて行くことで、新宇宙時代の幕開けを告げる」「それを我々の礎石として、地球を小惑星衝突や太陽フレア、人工的な宇宙デブリなどから守る衛星ネットワークづくりを目指すことになるだろう」と語ります。2基目の衛星は2018年に打ち上げを計画しているとのことで、初の宇宙国家の領土拡大ペースは我々が思っているよりも早そうです。

なお、アスガルディア国民になるにはメールアドレスと氏名その他少々の個人情報があれば良いとのこと。わりと気軽に国民にしてもらえる模様です。現在は6月24日に設立するというアスガルディア議会の選挙の最中。アスガルディア国民になって宇宙へ飛び出したい人、そこで議員になってなにかやりたい人は、ご自身の判断でどうぞ。