日本武道館公演を控えるTHE ORAL CIGARETTESにとって今作はどのようなものなのか

 4人組ロックバンドのTHE ORAL CIGARETTESが6月14日に、両A面シングル「トナリアウ/ONE’S AGAIN」をリリースした。「トナリアウ」はTOKYO MX系アニメ『サクラダリセット』のEDテーマとして書き下ろした。同曲に着手している時に、「(トナリアウ)で収まりきれない部分をもっと主観的に書きたい」と、その感情を描いた「ONE’S AGAIN」と、2曲で一つという感覚もあるシングルに仕上がったという。東京・日本武道館公演を16日に控えた彼らが、このタイミングでリリースするシングルとはどういうものなのか、制作背景や緻密に計算されたアレンジ、2月にリリースしたアルバム『UNOFFICIAL』で見せた、感情をぶつける音楽をさらに昇華したシングルについて、4人に話を聞いた。

3つの“トナリアウ”の意味

――武道館公演も近づき、新曲もリリースと精力的ですね。今作はアニメ『サクラダリセット』のタイアップがついていますが、制作はいかがでしたか?

山中拓也 完全に書き下ろしました。こんなに思いっきり書き下ろしというのは、初めてです。「狂乱 Hey Kids!!」の時はサウンド的にもTHE ORAL CIGARETTESの流れに沿って、『ノラガミ』(あだちとか氏原作の同名アニメ。第2期のOP曲をTHE ORAL CIGARETTESが担当した)サイドと話し合いながら作っていったこともあって。でも「トナリアウ」は、全くゼロの状態から依頼をもらって書き始めたので、歌詞も全部書き下ろしなので凄く新鮮でした。

――『サクラダリセット』を読んで書かれたのですよね。作品ありきの作業というのはどのように進むのでしょうか?

山中拓也 全然ストレスがないです。昔から映画を観たり、漫画を読んで曲を書いたりしていましたので。

――そういった作業は得意?

山中拓也 非現実的なものが好きなので、そういった所からのインスピレーションを受けることは凄く多いです。今、リアルに思っていたことが『サクラダリセット』で表現されていたので、そことリンクして「この人達は、自分が今伝えたいことと全く同じことを思っているな、凄いな」と思って、歌詞も書きやすかったです。

――山中さんが思う、この作品でキーポイントとなった点は?

山中拓也 「どんな人間にも、どんな行動にも、必ず悲しみが隣り合う」というセリフがあります。そのフレーズが自分の中で腑に落ちて。自分もそういう人間、「悲しみあっての喜び」を感じる人間だから、今思っている事と一緒だなと感じました。あと、「人と人」という所で支え合って生きていく、一緒に成長していく、というコンセプトも僕らとお客さんみたいで凄く似ているなと思いました。

――バンドの関係もそういった部分はありますね。みなさんはアニメは観ましたか?

中西雅哉 現在進行形で観ています。エンディングがまたハマっていて。話が終わって、歌が流れてくる時がまたいいです。客観的に見てもいい曲だなと思います。

――今作は全曲を通して今までよりもさらに感情がさらけ出されているなと感じました。これは作品と自分の感情がリンクしているから?

山中拓也 それもあると思います。アルバム『UNOFFICIAL』で僕らはそういった所を出していたと思っています。ノリや「楽しい」だけじゃなくて、絶対にエモの時代が来るというか、感情に重きを置いた歌を歌っているバンドがトップに上がっていく時代が来るなと昔から思っていました。だから今こういう曲を書いているのは必然だなと思います。

――「トナリアウ」のタイトルを片仮名にした意図は?

山中拓也 漢字にしてしまったら「隣り合う」しか出てこないので、そこに意味が固まってしまっても面白くないし、平仮名よりも片仮名の方が多重の意味を持っているイメージがありまして。外来語って片仮名にするじゃないですか?それって、もともと自分達が知らない意味から派生したものが日本語の片仮名になっているから、“そこにたくさんの意味が詰まっている”という感覚が自分の中であります。

 「トナリアウ」にも僕はたくさんの意味を込めています。ストーリーで言うと、主人公2人で進んで行くのですが、誰かと誰かが隣り合っていることが大事なキーワードになっているアニメでもあるし、僕らとファンというのも、常に隣り合って成長していくという所もあります。

――成長ですか。

山中拓也 そこにもっと意味を込められないかなと考えて、「誰々と成り合う」という意味も込めているんです。「トナリアウ」を書く上で一番キーワードになった言葉が、作品の中の「悲しみが常に隣り合っている」というフレーズだったので、3つの“トナリアウ”の意味が込められるなと思ったので、漢字では無理だと思いました。

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