12日、韓国メディアによると、韓国で大学生を対象に「貧しい暮らしを体験するプログラム」が開催されることが分かり、物議を醸している。写真はソウル。

写真拡大

2017年6月12日、韓国・SBSなどによると、韓国で大学生を対象に「貧しい暮らしを体験するプログラム」が開催されることが分かり、物議を醸している。

問題のプログラムは、韓国で「ごく狭い部屋」を意味する「チョクパン」の語をつけ呼ばれる「チョクパン村」での生活を、実際に現地を訪ね体験するというもの。ソウル市中(チュン)区と南大門(ナンデムン)地区相談センターがこのほど、大学生12人を募集し、来月3日から2泊3日の体験プログラムを区内のチョクパン村で行うと明らかにした。

しかしこの計画に対し、反対や批判の声が噴出している。まず、チョクパン村に暮らす人によると、計画について住民からの意見収集は行われず、当然了承も取られていないという。また「わずか2泊3日の宿泊で(貧困地域の実像の)何が分かる?」などと、実効性に疑問を呈する意見も多い。

70代の住民も「(学生たちは)どうせ(レポートを)一通り書いて、会社に入る時や大学に入る時に使うのだろう。こっちも(学生が)うっとうしいから、ただ愚痴を何度か言って終わりにするかな」と不満げ。学生は2泊3日の体験で18時間のボランティア活動をしたことが認められるため、「就職のための履歴書に1行加えるためだけの手段」と皮肉る人も少なくない。

また、「貧困体験」という発想自体を問題視する声もある。韓国では2年前、仁川(インチョン)市内の自治体がチョクパン村の中に「体験館」を設ける計画を立てたが、「貧困を商品化しようとしている」として問題となり撤回した。ある会社員の男性(25)は、「貧困を見世物にして住民を傷つける可能性があるのだから慎重にアプローチすべきなのに」と批判した。

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「貧困地域に行ってこんなことをする必要があるのか?動物園に行って動物を見るのと何が違うんだ?」「お互いに不愉快」「あまりにも配慮に欠ける」「全く非常識な発想」など、多くの批判の声が寄せられている。

また、「こんな企画を誰が考えたんだ?」「公務員が机の上で考えた企画って感じだな」など、企画した公務員に対する抗議の声も多数ある。

その他、「貧困地域に宿泊したらボランティアのポイントがもらえるなんておかしい」「そもそもボランティア活動って何だ?」など、変質してしまった韓国のボランティア活動への疑問の声もあった。(翻訳・編集/三田)