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●上位モデルを推す理由

ファーウェイは新スマートフォンとしてP10シリーズ3機種を発売した。最も売行きが見込まれるのは廉価モデルの「P10 lite」だが、新製品発表会で力を入れて解説したのは上位モデルの「P10」と「P10 Plus」。そこには理由がある。

○勢いに乗るファーウェイ

国内のSIMフリースマートフォン市場で絶好調のファーウェイ。昨年発売した廉価モデルの「P9 lite」(市場想定価格税別22,800円、発売当初は同29,980円)がヒットし、メーカー別SIMフリースマホでシェアナンバー1を獲得するまでになった。

ヒットの理由として、コストとパフォーマンスのバランスに優れていたことが挙げられる。その後継モデルとして「P10 lite」が発売(税別29,980円)され、P10 liteに期待が集まりそうだが、発表会当日にファーウェイが力を入れて説明したのは上位モデルのほうだった。

ライカと共同開発し、カメラ機能に特徴を持たせた「P10」(税別65,800円)と「P10 Plus」(税別72,800円)。多様な機能を持つ上位モデルの解説に力が入ることに、不自然さはない。そうした見方もあろうが、売れ筋と見られるP10 liteの解説は素っ気なく、何か引っ掛かりを覚えるのだ。

○売れるのはP10 lite

当のファーウェイは何を考えているのか。ファーウェイ・ジャパンの呉・波デバイスプレジデントに、売れ行きの見通しについて聞いたところ、「SIMフリースマホ市場では3万円代が普及価格帯。これは当面続く。販売量で見た場合、P10 liteが一番売れると思う」と話す。

それであれば、P10 lite推しでもいいはず。だが、そうならなかったのは理由がある。今のうちから上位モデルを認知して欲しいというメッセージがあるからだ。

呉氏の説明はこうだ。日本のSIMフリースマホは市場が形成され始めた2014年、2台目としての需要があったが、今ではメイン端末として利用されるようになってきた。本来、日本で一番売れているのは、価格帯の高い端末。こうした傾向から、今後は上位モデルがフォーカスされていくと見ている。呉氏は「あくまで個人の見解だが、他社も500ドル以上の新機種を出していくと思う。プレイヤーが集まれば、市場のパイも大きくなっていく」と話す。

同社の課題は、500ドル以上の端末の普及である。そのため、今後を考えるのであれば、P10 liteではなく、上位モデルをどうにかしたいというのがファーウェイの本音。ブランディングの観点から、認知度を向上させるべく、発表会では上位モデルの説明に時間を割いたようだ。

●上位モデルの売れ行きで動き出す大手

○上位モデルの売れ行きは大手が動くバロメーター

スマートフォン市場の動向を占う上で、注目したいのは、「P10」「P10 Plus」のような高価格帯の売れ行きだ。売れ行き次第で、大手キャリアも何らかの動きを見せる予感もするからだ。

5月、NTTドコモは「docomo with」という料金プランを発表した。これは「arrows Be」と「Galaxy Feel」のいずれかを定価購入することで、毎月1,500円の割引きが永遠に受けられるというものだ。前者は税込28,512円、後者は税込36,288円での販売となる。

気にすべきはこの価格帯。2つの端末の価格は、SIMフリースマホ市場の普及価格帯と一致する。つまり、ドコモとしては、MVNOへの顧客流出を対策を打ち出したことになる。

ドコモ自身はそもそも10万円もするような高価格なスマホを定価で買ってもらうには、心理的な抵抗が大きい(今まで実質ゼロ円になるような割引があったため)とし、2万円から3万円台の端末が対象になったと説明する。MVNO対策ではないと強調もしている。とはいえ、結果的にはMVNO対策と見ることは十分に可能だ。

呉氏が語るように、SIMフリースマホの高価格化が進んでいくならば、中長期的には、こうしたMVNO対策と思われる施策において、対応端末の価格の上限アップといった変化も生じることも予測される。ファーウェイの上位モデルもしくはそれに類似した価格帯のSIMフリースマホの売れ行きは、大手キャリアの動向を察知する上でのバロメーターになりそうだ。