先日中国の大学入試である「高考(ガオカオ)」が2日間に渡って行われた。今回は日中の勉強に対する違いについてご紹介したい。資料写真。

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先日中国の大学入試である「高考(ガオカオ)」が2日間に渡って行われた。今回は日中の勉強に対する違いについてご紹介したい。

私の個人的な意見だが、中国人の「たくさん勉強する」と日本人の「たくさん勉強する」は少しレベルが違う気がする。中国人夫いわく、中国の学校の宿題はびっくりするくらい多い。小学生の内からどんなに頑張っても終わらないような量の宿題が出される。日本のように学校でやったことの復習ではなく、子どもが一人では到底解けないような難問がズラッと宿題として出されるらしい。

つまり、中国の子どもが宿題を無事に終わらせるには、保護者がつきっきりで宿題を何時間も指導しないといけない。日本のように、子どもが自主的に宿題に取り組んで終わらせることなどほぼ不可能なのだ。私には常に親と一緒に宿題をやった記憶があまりない。基本的には自分だけで解ける問題を学校の先生が選んで、宿題として出していたような気がする。

こんな夫のおもしろエピソードもある。夫の実家がある福建省の片田舎では、中学生は公立でも全寮制だった。自宅まで歩いて30分ぐらいの距離だったそうだが、夫の地元の子どもたちは平日は寮に泊まり込んで軍隊のような生活をして猛勉強し、週末は大量の宿題と共に家に帰る、という生活をしていた。時代もあるだろうが、夫の中学校生活は本当に厳しいものだった。朝は6時に起きて授業の予習、夕方まで授業があり、寮に戻ればすぐに宿題に取り掛からなければいけない。もちろん寮には男子しかおらず。その生活に耐えられなくなった夫はある日、学校の寮から脱出した。

家に帰ると両親に叱られるので祖父母の家に逃げ込んだらしい。祖父母はとても驚いたらしいが、夫の好物のラーメンを作って好きなだけのんびりさせてくれたそうである。幸せな時間も束の間、夫は脱走したことが学校の先生にバレてしまうことに物凄い恐怖心を抱き、学校の夜の見回りまでに寮にコッソリ帰ったそうである。

確かに私も学生の頃、特に受験前はたくさん勉強をした。テスト前には睡眠時間を削ったし、食事や入浴の時間以外はひたすら勉強していた…という時期もあった。しかし夫から聞いた中国の学生の勉強量は私のものとは比べものにならない。親の期待を背負ってパンク寸前まで勉強をしなければいけない中国の学生たち。体調を崩したり、うつ状態になってしまったりする場合もあるというのだから、日本人の私からすると何だか心配だ。

2000年以降に生まれた10代の間では中学校や高校で恋人ができるということも少しずつ受け入れられているそうだが、夫(20代後半)の学生時代は高考(大学入試試験)の前に恋人を作るなんて不良中の不良のすることで、そんなことがバレたら村の大人から説教されてしまうような時代だった。しかし、それだけ勉強していれば恋人を作る時間なんてないだろう。もしも私が中国の学生だったら耐えられるだろうか?そんなことまで考えてしまう。

■筆者プロフィール:むらさわりこ
1989年日本生まれ。22歳の時に2歳年上の福建省出身の中国人男性と結婚。英語を独学で習得後、英会話講師として働く傍ら中国のテレビなどを通し中国語も独学で習得。趣味は語学と読書。図書館があまりに好きで毎週通っている。結婚前はベトナム、ニュージーランド、モンゴル、カナダ、ラオス、フランスなど様々な国を一人で渡り歩く。自分のやりたい事や面白い事に国境や言葉の壁は関係ないと考えている。