首都直下地震対策専門調査会座長の伊藤滋・早大特命教授が2日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで開かれた「都市再生・環境フォーラム2005」(日経BP社主催)で「都市のリスク」と題して、首都直下型地震の発生可能性や被害規模などについて講演した。

 伊藤教授によると、地下構造の変化による地震だけを考えても、可能性が一番高いのは宮城県沖で、今後20年ぐらいの間にマグニチュード(M)6.5前後の地震が発生するのは確実といい、次いで高い東海地震は今後10年ぐらいに約80%の確率で発生するという。また、南関東でも今後30年間に起きる可能性は70%としている。

 南関東で発生した大地震としては1923年のM8の関東大震災がある。ただ、このクラスは200−300年間隔で発生しており、「今後100年間に発生する可能性はほとんどない」。しかし、M8クラス発生の間にM7クラスは数回発生しており、伊藤教授は「今後15−20年の間に起きそう」と予測した。

 東京湾の北部でM7.3の地震が起きたと仮定すると、冬の午前5時、風速3メートルの場合、死者はおよそ5300人、約23万棟が倒壊や消失する。伊藤教授は都市部は木造住宅がほとんどなく、不燃化が進展したため安全だが、木造密集地の中央線沿線(東中野−荻窪)や三宿、太子堂、荏原、川崎、笹塚などが火災の危険性が高いと指摘した。

 また、経済被害はおよそ90兆円に上り、1年間の国家予算に相当するため、この費用をいかに調達するかが課題。がれきをどこに処分するかなど、まだ決まっていない問題があると語った。【了】