「ビューティフル・マインド〜愛が起こした奇跡〜」チャン・ヒョク“キスされる側は初めてかも…やられましたね(笑)”

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「客主」「運命のように君を愛してる」「チュノ〜推奴〜」など多彩なヒット作に出演し、韓国のみならず日本でも多くのファンを魅了し続ける人気俳優チャン・ヒョクが他人に共感できない天才医師を熱演し話題となったヒーリング・ラブストーリー「ビューティフル・マインド〜愛が起こした奇跡〜」のDVDが好評発売中。

本作でチャ・ヒョクは「ありがとうございます」以来9年ぶりに白衣を身にまとい、生まれてから1度も人を愛したり、人に共感することができない特異な天才ドクター イ・ヨンオを演じた。今回、DVDリリースを記念して、チャン・ヒョクのインタビューが到着! 本作の見どころやヒロイン役のパク・ソダムとの共演、そしてデビュー20周年を迎えた感想を語ってくれた。

――このドラマに出演した感想を教えてください。

チャン・ヒョク:最初にドラマのシナリオを読んだ時、特殊なキャラクターだと感じました。主人公は前頭葉障害により感情を感じられません。医師という仕事を通し、自らを取り戻していく姿をどう演じようかと、好奇心が湧きました。「シザーハンズ」に少しイメージが似ています。感情をうまく表現できないばかりに人々の誤解を招いてしまうんです。その結果孤独に生きることになってしまった人物が、大切な人と出会って変わっていく、そういう設定が面白くて出演を決めました。

――主人公イ・ヨンオ役について簡単に紹介してください。

チャン・ヒョク:先ほど言ったように、ヨンオは子供の頃に受けた手術のミスや心理的なトラウマのせいで、前頭葉に異常が生じてしまい、感情を感じられないのですが、普通の人間になりたいと願う人物です。“感情を持ち、周りの人々と心を通わせたい”そう望みながらも共感する能力がないため孤立してしまっています。そんなアウトサイダーですが技術的には非常に優秀で、まるで機械のような医師です。

――ヨンオというキャラクターの魅力は?

チャン・ヒョク:無感情な人物だからこそ淡泊に演じられました。大げさな感情表現はしませんでしたね。設定自体が極端な感じだったこともあって、典型的なキャラクターから抜け出せました。ですが視聴者が共感できてこそヨンオの魅力となると思ったので、どうやって表現するかが難しかったですね。

――どのような準備をしましたか?

チャン・ヒョク:ヨンオは医師としての知識は豊富でとてもレベルが高いのですが、心は少年の頃のまま止まってるんです。その年頃の純粋さを内に秘めていて、それを周りに見せることで怪物扱いされてしまうんです。得体の知れない者としてみんなに恐れられますが、後にジンソンが理解者となる頃には“ヨンオは知識は豊富でも心は少年のままなんだな”と、共感を得られるよう努力しました。

「いろいろ映画を参考に…純粋さの部分は『シザーハンズ』を参考にしました」

――演技の参考にした作品やキャラクターはありますか?

チャン・ヒョク:特に1つの作品ということはないですね。以前「依頼人」という作品でサイコパスの要素を持つ人物を演じたので、その時に勉強のために本を何冊か読みました。それから医師役は「ありがとうございます」でも経験があります。今回は殺人犯の役ではなく、殺人を犯したかもしれない容疑者であって、実際の加害者ではないんです。いろいろ映画を見ながら生かせそうな箇所を参考にしました。例えば純粋さの部分は「シザーハンズ」を参考にしましたね。もともと このドラマのタイトル案が「フランケンシュタイン」だったんです。そういう要素では「ウォーム・ボディズ」も共通してますよね。SFではありませんが、異質な要素を持つ医師が人々と出会い 変わっていくストーリーなので、複数の作品から少しずつ参考にしました。以前見た映画や本をもう一度違う側面から見直しましたね。また、神経外科医の役なので専門家にアドバイスをもらったりしながらいろいろ準備しました。

――多くの作品を参考にした分、いい演技が出来ましたか?

チャン・ヒョク:医師ではなく人間を表現したかったんです。医師はキャラクターを説明するための背景的な要素にすぎません。ヨンオが特別な人と出会った時に、どんなリアクションや対応をするか。それから感情が芽生えたと思い込むシーンや、信じる人に裏切られたシーンなども、普通の人とは違う表現が求められます。そういう部分の演技を重視しました。

――ヨンオを演じる際に気をつけた点は?

チャン・ヒョク:先ほども言ったように人との関係についてです。職場で孤立するヨンオは疎外されてるように見えますが、実はそうではなく“僕は君たちのことなどどうでもいい”“周りが何と言おうが我が道を行く”そういう感じなので、マイペースに前進する姿を意識して演じました。

――医師役は「ありがとうございます」以来ですが、いかがでしたか?

チャン・ヒョク:医療物は難しいですね。専門用語も多いですし手術シーンを撮影する時は一苦労です。プロ並みの知識とまではいかなくても、1つずつの医療器具の名前と基本的な使い方を覚えないといけません。それから感情表現も難しいですね。例えば患者がどんな病気か知った時に、内心では感情が高ぶってもうわべは平静を装うとか、そういう演技が多いので、医療物は他のジャンルに比べて感情面の表現が大変でしたね。

――用語などはすぐ覚えられるほうですか?

チャン・ヒョク:一度 医師を演じたことがあるので、少しは慣れてましたね。前回の経験を振り返りながら暗記するうちに思い出す単語もいくつかありました。前回は胸部外科、今回は神経外科ですが、胸部と違って頭部の手術はカメラで映す範囲が狭いんです。ですから前回に比べ手術シーンは楽でした。

「キスされる側は初めてかも…やられましたね(笑)」

――共演したパク・ソダムさんの第一印象は?

チャン・ヒョク:ソダムさんの第一印象は素朴な感じですね。脚本家の先生のお宅で初めて台本の読み合わせをした時にお会いしました。撮影前に準備すべきことなどについていろいろ質問する様子を見て、情熱を感じましたね。

――パク・ソダムさんと共演した感想は?

チャン・ヒョク:最初、ヨンオはジンソンと対立しますが、次第に彼女に興味を抱いていくようになります。その分、リアクションも多様で複雑でしたが、ソダムさんが積極的に監督や僕の意見を聞きながらうまく合わせようとしてくれました。

――撮影中、記憶に残るエピソードは?

チャン・ヒョク:ほとんど病院内での撮影で、序盤は胸ぐらをつかむシーンばかりでしたね。会うたびに彼女の首に手をかけてました(笑) そんなキャラじゃないのに(笑) シリアスなシーンですが、撮影中はまた次のシーンも胸ぐらをつかむのかと思うとおかしくて。

――そのシーンではNGは多かったですか?

チャン・ヒョク:NGを出さないよう努力しました。つかむ側もつかまれる側も大変ですからね。つかむフリでもいいですが本気でやらないとふざけてるように見えるので、早く終わるよう集中して演じましたね。

――共感性が欠如した役ですが、恋愛のシーンは難しかったですか?

チャン・ヒョク:その点は「シザーハンズ」に似てますね。ファンタジックだと思います。感情を感じられない人間と感情を持った普通の人間の交流ですからね。例えば感情を表現するのに脈を測りながら、“通常 脈拍は1分に何回だが今の僕はもっと多い”“だから君を好きみたいだ”ヨンオはそんなふうに普通とは違った言い方で表現するんです。感情ではなく数値的な言葉で相手に物事を伝えます。ヨンオのそんな表現を、相手も受け止めるうちにコミュニケーションが成り立つ、そういう恋愛ですね。

――婚約者のミンジェに裏切られたヨンオの気持ちは?

チャン・ヒョク:ひと言で言えば“人の感情とはこんなものか”でしょうか。ヨンオは普通の人間になりたいと願う人物です。他の人と同じように感情を持ちたいと願いつつも、トラウマのせいで心の扉を閉ざしています。唯一ミンジェにだけは開いていた扉さえも、彼女の裏切りによって閉ざしてしまう。自分の殻に閉じこもり、よりシニカルになりますよね。泣きたいほど悲しいのに感情自体は動かない。涙はないが悲痛さを感じる“渇いた涙”ですね。

――ジンソンとのキスシーンのエピソードは?

チャン・ヒョク:僕は不意打ちでキスされる側なので……やられましたね(笑) される側は初めてかも。

――キスされる演技は初めてですか? どんな気分でしたか?

チャン・ヒョク:ええ、初めてでした(笑) キスシーン自体は今まで何度も経験があるので、特別という感じではありませんが、ヨンオの場合はリアクションが妙ですね。今までずっと人と距離を置いてきたのに、突然その距離を飛び越え、身体的に接近されたのでエラーが出た感じです。論理的で数学的なコンピューターがエラーで固まってしまった状態ですね。

「初めて涙を流した時…ヨンオの感情が最も表れたシーンでした」

――ホ・ジュノさんと共演した感想は?

チャン・ヒョク:「火山高」という映画でホ・ジュノさんと出会い、十数年ぶりに再会しました。あの頃より魅力的で淡泊なイメージになりましたね。あの当時も今も、撮影現場で後輩たちにいいアドバイスをくださいます。それから、年を重ねたせいか温かみが増しました。演技の面でもね。以前は妥協しないイメージでしたが、今はすこし丸くなったように思います。

――ジュノさんから変化を指摘されたことは?

チャン・ヒョク:“魅力的になった”と。個人的にとてもうれしい言葉ですね。

――2人で演じたときのエピソードは?

チャン・ヒョク:ジュノさんとは対立シーンばかりで、笑顔のシーンがありませんでした。ふだんは笑いながらしゃべっているのに、撮影に入った途端笑顔を消して見つめ合うのが面白かったですね(笑)

――「火山高」以降、親交はありましたか?

チャン・ヒョク:「火山高」以来久しぶりに会いました。僕もジュノさんもそれぞれ忙しくて、偶然会うこともなくて。十数年ぶりに読み合わせの場で会いましたが、全然変わりませんでした。もちろん、性格的には丸くなりましたが、冗談を言ったり助言をくれたりするところは同じです。

――ソクジュ役のユン・ヒョンミンさんの第一印象は?

チャン・ヒョク:ユン・ヒョンミンさんは度胸があり、鋭い感じがします。役自体がそういうイメージですしね。元野球選手なので持久力や根気もありますし、とても礼儀正しい人です。それから演技に真剣さが表れていて素晴らしいですね。

――年は結構離れていますか? 息は合いましたか?

チャン・ヒョク:まあ年は少しね(笑) ええ、彼がうまく合わせてくれました。積極的に質問してくれたり、演技する時も配慮してくれましたね。いいシーンにするために一緒に努力しました。

――病院のメンバーでムードメーカーといえば? チャン・ヒョクさんですか?

チャン・ヒョク:僕ではありませんね。役的にみんなと離れてましたからね。医師5人組がにぎやかで面白かったです。ただ、この作品のテーマがかなり重いということもあり、撮影中は冗談を言う雰囲気ではありませんでした。撮影が終わったあとや昼食の時間などにおしゃべりしてましたね。

――ドラマ全体を通して一番気に入っているシーンは?

チャン・ヒョク:初めて涙を流した時ですね。患者のメッセージを聞き、涙を流した瞬間がヨンオの感情が最も表れたシーンでしたね。初めて本物の涙を流し自分の感情を感じたんです。自分でも気づかないうちにせきを切ったように涙があふれだす……一度きりの涙でしたが、最も印象的なシーンでした。

――泣く演技は難しくなかったですか?

チャン・ヒョク:役の感情をうまくつかめれば涙は流せますね。一度はヨンオが泣くシーンがあればいいと思ってました。何度も泣くより、ずっと耐えてきた思いが一気にあふれだす涙のほうが価値があります。

――皆さんにお薦めのポイントやシーンは?

チャン・ヒョク:医療ドラマですが、新しい形の作品にしたくて脚本家や監督俳優たちでいろいろと工夫しました。温かさの中にシニカルさがあります。主人公がシニカルですからね。無感情なヨンオが温かさを取り戻す過程が段階的に描かれています。それから病院で連続殺人事件が起こり、その謎に迫るというミステリーの要素もある。スリラーのジャンルにヒューマニズムを合わせたドラマですね。またラブコメとまではいきませんが、おとぎ話のようなロマンスも入っています。そういう部分が楽しめるポイントだと思います。

――NGを連発したシーン、楽しかったシーンを教えてください。

チャン・ヒョク:どのシーンも難しかったですね。俳優はもともと表現したがるものでしょう? でもヨンオ役の場合、逆に表現しないほど人の好奇心をかきたてるので、演じたい気持ちをセーブするのに苦労しました。逆に言えば表現を抑えることでヨンオの淡泊さが引き立つので、いつもより動作による表現が少なくて済みました。そういう意味ではやりやすかったですね。それから冗談みたいな話ですが、神経外科の手術シーンは胸部外科よりも手術範囲が狭いため、撮影は不可能なので、具体的な手術ヶ所は画面に映っているだけなんです。その点でも胸部外科医の役より楽でしたね。

――チャン・ヒョクさんにとってこのドラマはどんな作品ですか?

チャン・ヒョク:この「ビューティフル・マインド〜愛が起こした奇跡〜」はシナリオを読みながら楽しく撮影できました。なかなか巡り合えない変わったキャラクターを演じることのできた楽しい時間でしたね。

――このドラマを通して成長できたと思う点は?

チャン・ヒョク:どの作品も同じですね。どんな作品からでも影響は受けます。その影響はすぐ現れるかもしれないし、ずっと後の作品に現れるかもしれません。いずれにしろ、役を演じた時間はすべて成長につながります。人生も同じですよね。1歳から2歳 10歳から20歳と年を取るにつれ物事を別の視点から見られるようになります。この作品でも成長できましたね。

「デビュー20周年…俳優を続けていたらいつの間にか20年が過ぎた」

――デビュー20周年の感想をお願いします。

チャン・ヒョク:ただ時が流れたという感じですね。特に大きな意味はなく、俳優を続けていたらいつの間にか20年が過ぎたみたいな……デビューしたのがつい昨日のようです。初めて台本読み合わせでテレビ局に行った日の、夜の空気を今でも鮮明に覚えています。そんなふうに時は流れ、さらに30周年 40周年を迎えることでしょう。

――今後の目標や活動計画は?

チャン・ヒョク:僕は人生の半分を俳優として過ごしました。現時点で人生の半分なので僕にとっては日常生活です。前だけを見るわけではなくあちこち周りを眺めながら歩んでいます。必死だった時期もありましたが、今は少し余裕ができたので周りの景色も楽しんでますね。いい作品があれば今後も出演していきたいです今は「普通の人(原題)」という映画を撮影中です。そしてそれが終わったら「ボイス(原題)」というドラマに出演します。

――これまで演技をしてきた中で、今まで演じたことのない役はありますか?

チャン・ヒョク:たくさんありますね。敵役もやってみたいですし。それから挑戦したいジャンルは時代劇ですね。すごく昔の時代ではなく、近代史を扱った作品に出たいです。

――20年後、どんな俳優になってると思いますか?

チャン・ヒョク:わかりませんが、努力し続ければ結果が出ると思います。目標を立てるより自分のペースで……競馬場で走る馬よりも広い草原を自由に駆け回る馬でいたい、そう思いますね。

――最後に日本のファンの皆さんに一言お願いします。

チャン・ヒョク:こんにちは、チャン・ヒョクです。「ビューティフル・マインド〜愛が起こした奇跡〜」という医療ファンタジーのドラマを皆さんにお届けします。ファンタジーというのは医療的な部分ではなくキャラクターの設定です。ヨンオは共感性が欠如したキャラクターですからね。連続殺人事件のミステリーと医療のヒューマニズム、孤独な天才医師イ・ヨンオが人々と織りなす物語にぜひご期待ください。監督や脚本家、俳優が一丸となり楽しんで撮影した作品なので、そのエネルギーをお届けできればと思っています。皆さんの健康と幸せを願っています。

「ビューティフル・マインド〜愛が起こした奇跡〜」
DVD-SET1 好評発売中
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各¥15,200+税 ※レンタル同時リリース
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
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