世界的なブランドの洋酒について、その魅力と楽しみ方を伝えるメディア向けセミナー『Asahi Brown Spirits Seminar2017』。第1回目はテネシーウイスキー『ジャック ダニエル』、第2回目にはプレミアムバーボン『ウッドフォードリザーブ』についてお伝えしてきましたが、第3回目となる今回は、コニャック『カミュ』がテーマ。

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『カミュ』は“コニャック”というブドウの蒸留酒のお話になります。日頃飲まれている方も少ないと思いますが、ワインのようなウイスキーのような、奥深いお酒。

今回は『カミュ』ブランドマネージャーの鈴木更紗さんが登壇してプレゼンテーションを実施。鈴木さんは、繊細なカミュの味わいにぴったりの素敵な女性。『カミュ』の伝統ある歴史やコニャックの製法、ラインナップのご紹介に加え、飲み比べなど『カミュ』の世界をのぞいてみましょう!

開始前に花の香りを楽しむ


会場に早めに到着すると、発表会の前に「カミュは“スミレ”の香りとよく似ていると言われています。まずはボルドリーのベースとなるフローラルな原酒の香りをお楽しみいただきお待ちください」と『カミュ』ブランドマネージャーの鈴木さんが手渡し。

スミレの模様がついたフレグランスカードをいただきました。なんてエレガント! 香りとともに雰囲気を楽しむ優雅な時間です。

フレグランスカードをかいでみると「ほわわ〜ん」。確かにスミレのような華やかな良い香り!

“コニャック”がいまアメリカでトレンド

コニャックにはあまりなじみがないという読者も多いと思いますが、実は今コニャックがアメリカで熱いお酒になっているのはご存知でしたか? 産地フランスからのコニャックの輸入量が、2015年にはアメリカで14%伸びているのだそう。

アメリカではコニャックブームは若い世代がけん引。コニャックは、クラブシーンで人気の飲み物というホットなアイテムになっているのです。

人気のラッパーやミュージシャンが「若かった時、地元で安いラムを飲んでいたけれど、アメリカにきて成功しておしゃれにコニャックを楽しんでいる」と歌っていたり、ライフスタイルに取り入れられてるのが大きなブームとなっている模様。

“コニャック”とは?

コニャックって何ぞや、という方にざっくりご説明。コニャックは果実酒からつくった醸造酒を蒸留して作られたブランデーのこと。コニャック地方で作られたぶどうを使って定められた製法で作られた、ブランデーの中の最高峰がコニャック。


コニャック地方はボルドーから100キロ程度北にあがった場所にあります。そのぶどう畑で作られたブランデー。

コニャックには、主にユニブランという品種のぶどうが使われており、さらに6つのクリュ(地区)によってわけられています。6つのクリュ(地区)の違いはキャラクター(個性)によって分けられているそう。

そこで収穫されたぶどうを使って発酵。まず、ワインづくりから。コニャック作りとワインの大きな違いですが、通常のワインは酸化防止剤を使用しますが、コニャックは蒸留するポットスチルと相性が悪いため、コニャック向けワインには酸化防止剤は一切使われていません。

醸造されたワインは、2回の蒸留工程を経て熟成の工程に移ります。2回目の蒸留には、2500mlという小さな蒸留器しか使えないという特徴があります。熟成工程では、ウイスキーの場合バーボン樽やシェリー樽を使ったりと他のお酒で作った樽が使用できるのですが、コニャックの場合、フレンチオークでコニャックの熟成のみに使われた樽のみの使用が定められています。

コニャックの名門『カミュ』家の歴史・製法


コニャックの名門『カミュ』はボルドリー地区にあります。ボルドリーの歴史というのは、15世紀末〜16世紀初頭、コニャック地方・最初のぶどう畑。ぶどう農園の名前がそのまま「ボルドリー」と名付けられています。

ボルドリーを飲むということはまさにコニャック発祥の地のお酒を飲むということ。

島で作られるコニャック『カミュ』の“イル・ド・レ”

ボルドリーVSOP。そのような畑の個性を生かしたコニャックを作った経験から「コニャック地方にはボルドリー地区のように個性的な土地あるのではないか?」と考えたのが五代目当主のシリルカミュ氏。そして出会ったのがイル・ド・レ。

コニャック地方の最西端にイル・ド・レという島があります。イル・ド・レで作られる『イル・ド・レ』は、唯一無二の島(アイランド)の“コニャック”。島でとれたブドウを使って熟成までするコニャック。

潮風をあびて育っているので、収穫されたぶどうを食べてみると少ししょっぱい味になっているのだとか。口に含むと飲み干した後、ソルティなニュアンスが残ります。

『カミュ』ブランドのラインナップを飲み比べ体験


コニャック『カミュ』について学んだところでお待ちかね試飲テイスティング。

『イル・ド・レ クリフサイドセラー』『イル・ド・レ ファインアイランド』『カミュボルドリーVSOP』の3種類を飲み比べしてみました。


・『イル・ド・レ クリフサイドセラー』
世界文化遺産の砦の小屋の中で熟成をした、海のキャラクターを濃くしたような場所でつくられたコニャック。バニラのような甘い香りとヨード分たっぷりの塩の香りが非常にマッチしている、スコッチウイスキー愛好家にも受け入れられる風味。

ガジェット通信の宮原編集長も「これは旨い!」と絶賛。

・『イル・ド・レ ファインアイランド』
まったくボルドリーと違う味わいで、ほんのり塩気の濃さが残る新しいテイストのコニャック。

塩気が新鮮! 香り高くておいしい!

・『カミュボルドリーVSOP』
希少で香り高いコニャックを生み出すといわれるボルドリー地区から生まれるシングル・クリュ・コニャックです。原酒となるのはカミュ家所有のブドウ畑から作られたプライベートストックのみで、少量生産の逸品。

鈴木さんの説明と伺いながら「なるほどー!」と、味わいながら舌鼓。

飲み方は? ストレートorフレンチ・ハイボールをご紹介


飲み方はよく知られるストレートもおすすめですが、今回ちょっとお洒落なドリンク、“フレンチ・ハイボール”の飲み方を教えていただきました。

『フレンチ・ハイボール』の作り方
1.グラスに氷をたっぷりいれます
2.『イル・ド・レ・ファインアイランド』を20ml注ぎます
3.冷えたウィルキンソン炭酸を注ぎます
4.そ〜っと氷を持ち上げるようにすると混ざります
5.『イル・ド・レ・ファインアイランド』10mlを上に静かに注ぎます(フロート)
6.仕上げにオレンジピールで香りづけすれば出来上がり


そのままストレートで飲んだ時と全く印象が変わり、オレンジピールの香りが軽やかな印象の、爽やかな風味が楽しめました。

いや〜、最高です。

思わず笑みのこぼれる旨さ!

『カミュ』と食とのフードペアリング



1.『イル・ド・レ』(フレンチ・ハイボール)× 鯛の昆布〆、ほたてのバター醤油焼き
イル・ド・レ地方の名産品は生牡蠣。この時期、生牡蠣は入手が難しいので鈴木さんが日本で試して合わせて感動したペアリング『鯛の昆布じめ』『ほたてのバター醤油焼き』をご紹介。「イル・ド・レのフレンチ・ハイボールとぜひ合わせてみてください」とのこと。


2.ボルドリーVSOP×『カマンベール・チーズ・フォンデュ』
次はボルドリーVSOPに合わせ。カマンベールチーズをオーブントースターで焼いてとろけたところでボルドリーVSOPをポトリ!
「ボルドリーのフタは線があるのでそれがちょうど20ml。メジャーカップの代わりに使えますよ」と鈴木さんがアドバイス。焼くだけレシピなのでおつまみにするのもよさそう。

3.ボルドリーVSOP×『カフェorティー・グルマン』
コーヒーや紅茶と数種類の小さなスイーツとともにコニャックを楽しむのがカフェorティー・グルマン。現地コニャック地方の人達に人気のレシピ。

コニャックはそのまま飲んでもOK。コーヒーや紅茶に垂らすとぐっと大人の味に。

バーへ行ったらこれをオーダー! トワイスアップ『ボルドリーVSOP』


バーテンダーが作るカクテルでシェイクやステアだけではなく“スローイング”という技法があり、空気を含ませて香りをよりを開かせるというプロ技術。

・トワイスアップ『ボルドリーVSOP』(スローイング技法)
ボルドリーVSOPを水と1対1でバーテンダーの技術を感じられる一品。ボルドリーのフワッとしたお花のような香りを楽しめます。

奥村さんのおつまみ探求コーナー

セミナーは鈴木さんによるご説明でしたが、お待ちかね奥村さんのおつまみ探求コーナーです。

ブラウン・フォーマンのマーケティング担当者として、日々多忙を極める奥村さん。お酒を飲むのもお仕事で、お酒と合うおつまみも日々探求しています。今回の『カミュ』に合うおつまみも研究。


奥村さんは、『イル・ド・レ クリフサイドセラー』に焼き鯖寿司を合わせています。潮の香りと味わいがほんのりするイル.ド.レには和の味の代表格である“寿司”にもぴったりなのです!

奥村さん、以前は『カミュ』の販売にも携わったことがあるのだとか。さすが ミスターブラウンスピリッツ! おつまみ探求にも年季を感じます。

奥村さん、ありがとうございました!

次回予告

コニャック『カミュ』の世界はいかがでしたか。飲んだことない人もこの繊細な味わいに一度飲んでみると虜になってしまうはず。


いよいよ次回は最終回。最終回を飾るのはスコッチウイスキー『グレン グラント』。6月22日の開催を予定しています。次回の記事もお楽しみに!

コニャック『カミュ』 販売 公式サイト

カミュ | アサヒビールのオンラインショップ「アサヒショップ」

(撮影:wosa/おさだこうじ)