過去に開催された「ロボカップ」の様子

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2017年7月27日(木)から30日(日)まで、愛知県名古屋市のポートメッセなごやと武田テバオーシャンアリーナを舞台に「ロボカップ2017名古屋世界大会(RoboCup 2017 Nagoya Japan)」が開催される。これは、ロボット工学と人工知能の融合・発展のために日本の研究者らによって提唱された国際的な自律移動ロボットの競技大会。世界各地で毎年実施されており、21回目となる今回は1997年の第1回大会が行われた名古屋の地が20年ぶりに選ばれた。

【写真を見る】愛知県立大学 Camellia Dragonsによるサッカーロボット「NAO」のデモンストレーション/(C)KADOKAWA / photo by タバタ☆ヒロミチ(APOLLO STUDIO)

10万人以上の来場者を見込んでいる同大会では、完全自律型ロボットがサッカーをプレーする「RoboCupSoccer」、災害を想定して被災者探索などを行う「RoboCupRescue」、家庭のような日常環境において人を助ける技術を競う「RoboCup@Home」、工場を対象に効率のいい生産方法を競う「RoboCupIndustrial」、次世代を担う11歳から19歳までを対象とする「RoboCupJunior」といった競技がメインとして行われる。世界中から持ち寄られた驚くような最新技術を間近で観ることができそうだ。

一方で、大会関連イベントにも注目したい。ロボット関連技術、製品、サービスなどに関する展示会「ロボット技術・産業フェア」のほか、九代目玉屋庄兵衛氏によるからくり人形の実演、巨大カブトムシ型ロボットや動作拡大型スーツ「スケルトニクス」の見学・体験、ロボット工作やプログラミング体験のワークショップなど、キッズが楽しめる催しも勢ぞろいする。ほかにも、世界各国の青少年が自身の発明品を出展し、来場者に作品紹介を行う「世界青少年発明工夫展2017」や、優勝賞金25万ドルを目指して“商品を取り出して収納する技術”を競い合う「アマゾン・ロボティクス・チャレンジ」(主催はAmazon Robotics LLC)も同会場で併催される。

6月13日(火)には、名古屋市内のホテルで記者会見が行われ、河村たかし名古屋市長や森岡仙太愛知県副知事らが出席した。開催委員会会長でもある河村たかし名古屋市長が「圧倒的な産業力を持つ愛知県はロボットの分野でも日本一。世界にその技術力の高さを発信したい」と挨拶。「ロボカップ2017名古屋世界大会」の見どころなどが紹介されたほか、トヨタ自動車の生活支援ロボット「HSR」、愛知県立大学 Camellia Dragonsのサッカーロボット「NAO」、愛知工業大学 AIT Pickersの災害対応ロボット「Scott I (スコット ワン)」などのデモンストレーションが行われた。

近年、人工知能とプロ棋士が対局を行う「電王戦」などが話題となっているが、「ロボカップ」では、「2050年までに、人型(ヒューマノイド)ロボットがサッカーワールドカップのチャンピオンチームと試合を行って勝つこと」を目標として掲げている。大人から子どもまで楽しめるイベントでありながら、同時に歴史を変える国際的研究プロジェクトでもあるこの「ロボカップ2017名古屋世界大会」で、日々目覚ましい進化を遂げる最先端技術の一端を目撃しよう。【東海ウォーカー/吉橋和宏】