(写真提供=FA photos、向かって左がチョン・モンギュ会長)

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韓国の文在寅大統領が日本、中国、韓国、北朝鮮の4カ国での2030年サッカーW杯共同開催を提案し、物議を醸している。

提案は6月12日に行われた国際サッカー連盟(FIFA)ジャンニ・インファンティーノ会長との会談でなされた。

この“仰天プラン”に日韓をはじめ世界中のサッカー界が揺れているが、そもそもこのプランは、単なる文大統領の単なる思い付きで提示されたものではなかった。

今年3月の時点で、W杯4カ国共同開催を構想していた男がいたのだった。

韓国サッカー協会会長のチョン・モンギュがその人だ。

なぜ4カ国開催を打ち出したのか

チョン・モンギュ会長は3月2日にこう語っていた。

「南北を含め中国、日本などと2030年W杯を共同開催したい。関係諸国と継続的に協議していくつもりだ」

共同開催したい国々まで具体的に指名した果敢な発言だが、彼がここまで言い切る背景には、FIFAが2026年のW杯から参加国を32カ国から48カ国に拡大するという事情がある。

参加国が増えることによって必然的に開催国の負担も増えることから、FIFAは2026年と2030年のW杯を数カ国で共同開催する方法を模索しており、それを見計らってチョン・モンギュ会長もプランを打ち出したという見方が強い。

事実、3月15日にはこんな発言もしている。

「まだ日本や中国と具体的に話し合ったことはない。しかし、2026年から参加国が48カ国になれば、一国だけで大会を開くのは負担になりえる」

一方で、このプランを表明したタイミングを見ると、チョン・モンギュ会長が5月8日にFIFA理事に当選したことも絡んでいると考えられなくもない。

韓国人がFIFA最高意思決定機関で活動するのは、1994年から2011年まで活動したチョン・モンジュン氏以来6年ぶりのこと。

最近ではアジアサッカー協会(AFC)の副会長にも就任し、FIFA評議会委員に当選した際には「困難な過程を経て当選した分、アジアサッカー、ひいては世界のサッカーの発展のために努力する」と意気込んでいたが、こういった事情がまったく関係していないとは言い切れないだろう。

実現可能性はどれくらい?

では、現実的に4カ国共同開催が実現する可能性はどれくらいあるのだろうか。

チョン・モンギュ会長は自信たっぷりにこう話している。

「(2026年の共同開催に名乗りを上げている)アメリカ、カナダ、メキシコと比べても距離的に近い国々だ」

「2〜3カ国、ひいては4カ国の共同開催案に対してFIFA会長からも肯定的な反応をもらった。4カ国の共同開催案についても同意しているはずだ」

実際、FIFAインファンティーノ会長は6月12日に文大統領と会談した際にも、近日中に会談する予定にある中国の習近平国家主席にも意見を聞くと表明しており、実現に期待が持てる。

この日、チョン・モンギュ会長は文大統領と固い握手を交わしていたが、どんな意味が込められていたのか気になるところだ。

いずれにせよ、4カ国開催が実現すれば史上初の出来事であり、プランを打ち出したチョン・モンギュ会長をはじめ韓国サッカー界の名が世界にとどろくことは間違いないだろう。

「2002年の日韓W杯に続き、2030年にも我が国民の歓声が響き渡ってほしい」

そんな夢を描くチョン・モンギュ会長は今後、この“仰天プラン”をどのように推し進めていくのか。

これからも目が離せない。

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(文=李 仁守)